パネリスト
小川 大輔(おがわ だいすけ)氏
株式会社MIXI 人事本部 労務部 部長
新卒で総合人材サービス会社に入社し、コーディネーター・キャリアコンサルタントなどを担当。2社目に、SI・人材サービス会社で営業を担当したのち、キャリアチェンジし採用業務に従事。その後、モバイルゲーム会社にて人事業務全般に従事し、2015年ミクシィ(現:MIXI)入社。採用業務2年、育成・組織開発業務1年、労務業務3年半の経験を経て、2022年に人事本部 労務部部長、エンパワーメント推進室 室長(兼任)、特例子会社株式会社MIXI EMPOWERMENT 取締役就任。
小竹 茜(おだけ あかね)氏
株式会社 LIXIL D&I Governance担当リーダー
コーポレートレスポンシビリティ(CR)リーダーとして現在のCR戦略の企画・策定を担当。2019年9月グローバルD&I部新設時にリーダーとして就任し、グローバルのD&I推進を担当。
モデレーター
豊田 健一(とよだ けんいち)氏
戦略総務研究所 所長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)FOSC代表理事、(一社)ワークDX推進機構の理事、ワークフロー総研フェローとして、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。
コロナ禍で変化した働き方を支える制度とは
まずは、両社のコロナ禍におけるリモートワークやフレックス制度に関する取り組みを見てみよう。
MIXIでは、都の要請に応じ2020年3月よりリモートワークへ移行したという。リモートワーク導入時に実施した施策として、小川氏は4つの手当を紹介した。
1つ目は、リモート環境を構築するための「環境構築支援手当」。2つ目は、光熱費や通信費の補助を目的とした「リモート環境維持手当」。3つ目は、コロナ禍の急な環境変化に対応した社員をねぎらうための「リモートワーク慰労の特別賞与」。4つ目は、出社した社員に対する「ランチサポート手当」だ。
小川氏は「コロナ禍に関係なく、時代の変化として、『会社には多様な人材がいる』という当たり前のことが、あらためて認識されるようになってきました。多様なライフスタイルやライフステージを考慮しながら、働き方の選択肢を広げていけたらと考えております」と語り、2023年4月より、一定期間好きな場所で働ける「マーブルロケーション」や、コアタイムを撤廃したフルフレックス制度を試験的に導入すると明かした。
一方のLIXILでは、以前よりフレックス制度を導入していたが、コロナ禍をきっかけにコアタイムを撤廃。「スーパーフレックス制度」として従業員自身が働く時間帯を選べるようにして、働き方の自由度を高めた。また、生産や物流といった現場対応が必要な一部の業務を除いて、在宅勤務が基本となり、本社への出社率は約8%にまで減少したそうだ。
「コアタイムがないので、早朝から昼過ぎまで働く、午後から働く、中抜けする、週4日働いて金曜日は休むといった、自由な働き方ができています。LIXILでは、多様な従業員が持つ知識や視点を取り入れることで、多岐にわたる顧客ニーズをより的確に応え、顧客志向を徹底することができるようになると考えています。多様なお客さまに選ばれる企業になるには、私たち自身も多様性を担保しなければならないという考えから、D&Iにはかなり力を入れています。その結果、外資系企業から転職されたワーキングマザーの方も『LIXILのほうが働きやすい』と言ってくれています」(小竹氏)