KDDIエボルバは、障がい者雇用推進の新たな取り組みとして、障がいのある先輩社員が、障がいのある新人社員の業務習得と会社生活をサポート・育成する「チューター制度」を導入した。
同制度は、社員の挑戦意欲を育み、ステップアップ育成を行う障がい者雇用専門部署「事務サポートグループ[1]」において、2022年4月よりトライアルで運用し、2023年1月に正式に開始した。
導入にあたり、同社では「チューターとして新人社員と向き合い、指導する」ための伝え方や距離感、コミュニケーションの在り方、認知の相違によって起こりうる事象、新人社員が抱える不安感の理解・対応といったチューター育成のための研修を行った。加えて、管理者とチューターが日常的に連携して指導や助言を行う仕組みや評価体制を整えた。
制度の導入後は、チューター自身の視野が広がって、より良い人間関係がつくられることにより、社会人のお手本になるという自覚の高まりや、責任感と自主性の成長につながっているという。また、チューターが寄り添うことで、新人社員の心的安全の確保や業務習得、環境適応、新人社員と職場のコミュニケーションの活発化が進み、制度導入後の新人社員の定着率は100%、職場全体の定着率は約99% [2]になったと発表した。
今後は、同部署において、チューターが正社員登用に進むための成長支援とキャリアパスの整備や、新人社員の受け入れ・育成にかかる管理者の補助業務、新しいチューターの育成・研修といったチューターの役割の拡張を目指すという。
制度導入までの課題や解決に向けた取り組み、挑戦の裏側、効果は、同部署の管理者とチューターの座談会で公開している。
注
[1]: BPO・コンタクトセンターでの就業が難しい人にも個性を活かして働ける環境として2016年に発足した部署。社内の印刷や事務代行、社内便業務などを行う。2023年5月現在、26名の障がい者スタッフと9名の管理者が在籍している。
[2]: 2023年3月末時点。
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