リクルートは、企業で働く人事担当者を対象に、人材マネジメント(人事制度、人材の活用)をテーマとしたアンケート調査を実施した。
調査結果のサマリーは次のとおり。
- 社内外の環境変化
- 事業戦略やビジネスモデルを変化させる必要性を感じている企業は60.0%という結果となった。34.6%の企業が、3年前と比較して人事管理や人材活用の難易度が高まったと感じていることが分かる。
- 人事制度変更の必要性
- 人事制度や雇用慣行を変える必要性を感じている企業は61.5%となった。人事制度を変える必要性を感じている理由は「既存従業員のモチベーションを高めるため」(57.7%)が最多であった。
- 適応の実態と人事課題
- 環境変化に応じて人事制度や雇用慣行の適応ができていると回答した企業は42.8%となった。現在の人事課題は「次世代リーダーの育成」「従業員のモチベーション維持・向上」「管理職のマネジメントスキル向上」「中途採用・キャリア採用の強化」などが上位に並んだ。
また、今回の結果について、リクルートのHR横断リサーチ推進部 マネジャー/研究員の津田郁氏は次のように解説している。
「本リリースでは、人事制度変更の必要性や人事課題について、企業の人事担当者調査の結果を紹介しています。60.0%が事業戦略やビジネスモデルの変更が必要だと考えており、それと呼応するように企業の人事制度や雇用慣行を変えていく必要性を感じています。激しいビジネス環境の変化や労働力人口の減少の中で、企業経営の骨格とも言える人事制度そのものの変革が求められています。また、企業の内部でも働く人の価値観・就業観が変化していると考えられます。
調査結果を見ると、コロナ禍であった3年前と比較して人事管理や人材活用の難易度が高くなったと回答した企業が3割を超えました。人事制度や雇用慣行を変える必要性を感じている具体的な理由としては、従業員のモチベーション向上や組織の多様化の観点などが確認されています。
なお、それぞれの調査結果は、『従業員規模別』『ビジネス展開別』『設立年数別』といった属性別でも掲載しています。ビジネス展開別で人事制度を変える必要性を感じている理由を見ると、グローバルでもビジネス展開している企業群のほうが、主に日本国内でビジネス展開している企業群よりも、『グローバルな人事管理が求められているため』『組織の多様性を高めるため』『社会的な要請に応えるため』といった項目で選択率が高い結果となりました。これまでの人材マネジメントや人材活用の議論では、主に企業の内部に着目してその公平性や活性化の方策が検討されてきました。今後はその視点とともに、広く企業の外の状況にも目を向け、内部だけに閉じない人材マネジメントの在り方を検討することが重要であると考えます」
なお、詳しい結果は同社のリリースより確認できる。調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の人事業務関与者(担当業務2年以上)
- 有効回答数:5048人[1]
- 調査実施期間:2023年3月29日~31日
- 調査機関:インターネットリサーチ会社
注
[1]: ただし、従業員規模30人以上の企業に勤める2761人を対象とした。