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インタビュー《新卒採用》| スタートアップが新卒採用に力を入れる理由

なぜTOKIUMの社長は新卒採用に業務時間の6割を割くのか 「新卒採用は未来のリーダーの獲得」

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 スタートアップ企業の採用は即戦力を重視した中途採用が中心となることが多い。とはいえ、組織を拡大するうえで避けては通れないのが新卒採用だ。しかし、オンボーディングや育成のリソース不足により、新卒採用にハードルを感じる企業も多いだろう。そんな中、支出管理クラウドを提供する株式会社TOKIUMは、メンバー数が1桁だった2017年から新卒採用を開始。今や社員160名のうち3分の1が新卒からの社員となり、リーダークラスに昇格しているメンバーも少なくないという。そこで本稿では、TOKIUM 代表取締役の黒﨑賢一氏に、同社が初期から新卒採用に取り組む理由と、成功のヒントをうかがった。

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新卒社員が3割以上を占めるTOKIUM、定着率は約9割

——TOKIUMはどのような会社なのでしょうか。

 支出管理プラットフォーム「TOKIUM」を提供している会社です。僕が大学時代の2012年に共同創業し、今年11年目を迎えました。現在の組織では、正社員が160名おり、そのうちの33%ほどが新卒採用で入社しました。新卒入社の社員は直近3年間で54名、定着率は約9割となっています。

 また、新卒で入社した社員はTOKIUMにとって、会社の成長や組織を支える中核人物になっています。部長職10人のうち3人は新卒のメンバーです。「管理職の何%を新卒にしよう」という目標などはないのですが、自然と事業を運営するうえで重要な推進力になっていますね。

黒﨑 賢一氏

黒﨑 賢一(くろさき けんいち)氏

株式会社TOKIUM 代表取締役

1991年生まれ。筑波大学在学中の2012年に株式会社BearTail(現TOKIUM)を共同創業。2016 年には法人向けサービス「TOKIUM経費精算」、2020年には請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」をリリース。2021年末から2022年にかけて約35億円の資金調達を実施し、支出管理クラウド「TOKIUM」を通して、企業の支出に関する業務における課題解決に取り組む。

——200人規模のスタートアップ企業では珍しいほど、新卒採用の割合が大きいですね。貴社が新卒採用に取り組み始めたきっかけを教えてください。

 2017年に10人目の社員として1名採用したのが始まりです。友人が紹介してくれた後輩が優秀で、いっしょに仕事をするパートナーとして魅力を感じ、ぜひTOKIUMに来てほしいとお誘いしました。

 彼は当時からリーダーシップがあり、かつ人に対して優しく接する印象がありました。また、すでに内定をもらっていた外務省への入省を検討するなど、パブリック(公共・社会)に貢献するモチベーションが高い人でした。そういう人が組織の初期にいると、世の中のために事業をやっていこうという原動力になります。また、新しく入ってきた仲間を育成する際にも力を発揮してくれると思いました。

——新卒を採用すると、どうしても育成にリソースを割く必要があると思います。スタートアップ企業としてリソース不足などの懸念はありませんでしたか。

 とくにありませんでした。というのも、新卒採用では自ら考えられる人を採用すると決めていて、入社した人を育成してあげようという意識ではなかったからです。自ら調べて考え、挑戦することが染みついている人を採用するため、手取り足取り教えるコストはかかりませんでした。

直近は年間400人以上、とにかく学生と出会う

——なるほど。では、2017年以降、新卒採用を継続的・計画的に行うようになった経緯と、その採用プロセスを教えてください。

 1人目の社員が活躍し、組織をけん引する存在になったことで、新卒採用を続けていくべきだという確信を得ました。短期で見ると、即戦力の中途採用のほうが効率的だという考え方もあるかもしれません。でも、僕は数年で終える事業をやっているわけではないですし、自分が死んだ後も続いていく組織をつくりたい。新卒が成果を出すまでの数年など誤差だと考えています。

 採用プロセスは画一的ではなく、紹介やスカウトでとにかく全国にいる学生に会うというスタイルをとってきました。主に友人づてに紹介してもらったり、オンラインのスカウト媒体でスカウトをしたり、学生との食事会を開いて数珠つなぎ式に紹介してもらうこともあります。直近では、食事会や面談などで年間400名と会いました。

 こうして出会って、お互い良いなと思った方が候補者になります。場合によってはアトラクトとしてインターンシップを経験してもらい、そこでも良かったら採用オファーを出すという流れです。現在は、2025年卒の学生とコンタクトをとっている最中で、すでに全国からインターン生が50名ほど集まって在籍しています。今後は約100名まで増える予定です。

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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