ヒューマンアカデミーは、企業が実施している研修について、研修・人事担当者300名を対象に調査を実施し、その結果を発表した。
実施している研修テーマはコミュニケーション研修が62%で1位。IT・DX研修はわずか26%の実施率
研修テーマに関して、最も多いのはコミュニケーション研修62%、続いて伝え方の研修53%、リーダー研修51%となった。テレワークの普及、働き方の多様性など、労働環境がますます複雑化し、人との関係性や適切なコミュニケーションが業務遂行において重要視されている。
一方で、政府が推進する「リスキリング」に関するIT・DX研修の実施は26%、ダイバーシティ・女性活躍推進研修の実施状況は25%にとどまっており、企業の取り組みとしては一部でしか実施されていなかった。
IT・DX研修の実施は26%にとどまるも、77%の企業はIT・DX研修の必要性を実感
経済産業省は2018年に、DXレポート「~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」を発表。その中で、DXが実現できない場合は2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると警鐘を鳴らしている。しかしながら、研修の取り組みとしては、IT・DX研修の必要性を感じている企業は77%に上るも、実際に研修を実施している企業は26%、14%の企業は必要性を感じていないという結果となった。
理由として、42%の企業が自社に必要なIT・DXスキルが定まっていない、36%の企業がIT・DX人材の育成方法が分からないと答え、企業の手探り状態が続いている。政府も促すDX推進、リスキリングによるデジタル人材の育成を支援するなか、IT・DX研修実施の低さが懸念される。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:Webアンケート
- 調査期間:2024年2月29日~3月4日の計5日間
- 対象地域:全国
- 調査対象者:民間企業に勤める人事・研修担当者
- 回収件数:300件
- 回答者が勤務する会社の従業員数:1000名未満44%、1000名以上56%
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