ヒューマンアカデミーは、企業が実施している研修について、研修・人事担当者300名を対象に調査を実施し、その結果を発表した。同調査では、現在実施している、または今後強化したい研修テーマや、実施頻度、実施方法などについて把握し、社員研修のトレンドや課題を明らかにすることを目的としているという。
「社員研修の課題はない」と答えた担当者はわずか9%
社員研修実施に際しての課題について、「特に課題を感じていない」と答えた担当者はわずか9%となり、「担当する人材不足37%、ノウハウ不足36%、費用不足33%」とリソース不足を課題と答えた担当者が多い結果となった。
また、「現在の研修がよくできており改善の必要性はない(A)」と答えた研修担当者は6%、「どちらかというとAに近い」と答えた研修担当者は39%だった。この結果から45%の担当者は、現在の研修に対して肯定的な回答をしていることが分かる。しかしながら、課題を感じている担当者が多いことから、現状のなかでの研修内容については評価しつつも、担当者だけでは解決できないリソース不足の課題などが存在することが分かった。
現在も今後も強化したい研修テーマはコミュニケーション研修38%が1位
今後2~3年で強化したい研修テーマは、コミュニケーション研修38%、伝え方の研修33%、考え方の研修とリーダー研修32%となった。
現在実施している研修テーマとほぼ変化がないことから、研修内容には満足感があり、今後もその価値を維持したいと考えていることを示唆する。一方で、ビジネス環境が急速に変化するなかで、研修内容に変化がないことは、経営戦略と乖離する可能性があり、一定のリスクをともなう。企業は、変化する市場ニーズや環境に迅速に適応するために、研修内容の定期的な見直しが望まれる。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:Webアンケート
- 調査期間:2024年2月29日~3月4日の計5日間
- 対象地域:全国
- 調査対象者:民間企業に勤める人事・研修担当者
- 回収件数:300件
- 回答者が勤務する会社の従業員数:1000名未満44%、1000名以上56%
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