この調査では、社員数300人以上の国内企業のIT部門マネージャー、および業務部門(非IT部門)マネージャーの計434人にデジタルトランスフォメーション(以下、DX)に向けた社内のIT人材状況や課題などについてアンケートを実施。加えて、5名に対する直接取材が行われた。
アンケートでは、IT部門の回答者の7割以上、業務部門(非IT部門)の回答者でも5割以上が、“業務部門においても「デジタル技術の概要教育が必要」または「業務部門で新たなデジタル技術を導入できる程度までの教育が必要」”と回答。全体を通して、回答者の半分以上がデジタル人材の育成を重要視していることがわかる。
また、IT部門の回答者の中で多くの人が「IT部門の人材が既存業務で多忙なため、新規の取り組みに割く時間がない」ことを課題に挙げた。加えて、取材を通してIT部門では「既存システム担当者」と「DXにかかわる人材」の間でモチベーションの二極化が進んでいる模様だ。
これらの結果から、IDC Japanは「DXを成功に導くためには、業務部門におけるIT人材の育成はもちろん、既存システムを担当しているIT部門人材の再活性化が必要」と分析。今後、DXが企業内で本格的に進められていく中で、ビジネスとIT双方を理解する人材は、IT部門においても業務部門においても重要視され、両部門の協業が組織の成功を導く鍵になるとIDC Japanは見ている。
IDC Japanリサーチ第3ユニット グループディレクターの寄藤幸治氏は、「顧客企業のDX実現には、ベンダーやSIerが人材育成の面からもサポートすべきである。IT部門においては新しいデジタル技術へのスキル転換を、業務部門においてはDX教育プログラムを提供するといった施策が必要となる」と述べている。
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