SENは、経営者を対象に「“アフターコロナ”の企業のメンタルヘルスケア対策」に関する調査を実施した。
コロナ禍を経てもメンタル不調の従業員数は変わらない
コロナ禍を経てメンタルの不調を訴える従業員数は現在までどのように変化したか聞いたところ、4.4％が「増加傾向」、13.5％が「やや増加傾向」、64.8％が「変わらない」と回答した。
メンタルヘルスケア対策が「重要だと感じる」は約8割
コロナ禍を経て、企業を経営するうえで従業員のメンタルヘルスケア対策の重要性を聞いたところ、24.0％が「非常に重要だと思う」、59.2％が「ある程度重要だと思う」と回答し、約8割が重要だと感じていることが分かる。
メンタルヘルスケア対策が重要だと思う理由
前問で「非常に重要だと思う」「ある程度重要だと思う」と答えた人に対し、その理由を聞いたところ、「組織のパフォーマンスとの相関関係を実感しているから」が64.5％で最も多く、次いで「従業員の休職・離職率との相関関係を実感しているから」が43.4％と続いた。メンタルヘルスケアが単に従業員の個人の問題ではなく、組織全体の成果や安定に直接的な影響を及ぼす要因と捉えられていることが明らかになった。
メンタルヘルスケア対策が重要だと思わない理由
一方、「あまり重要だと思わない」「まったく重要だと思わない」と答えた人に対し、その理由を聞いたところ、「効果がないと思っているから」が33.7％で最多となり、「企業の業績と関係がないと思っているから」が23.7％、「メンタルヘルス対策に回す人手が足りないから」が17.8％と続いた。これらのことから、 一部の経営者はメンタルヘルス対策に効果や実用性を見いしていない様子がうかがえる。
約7割がメンタルヘルスケア対策の実施に前向き
従業員向けのメンタルヘルスケア対策の実施状況を聞いたところ、23.6％が「すでに実施している」、19.7％が「実施していないが、実施を検討している」、30.9％が「実施も検討もしていないが、必要性は感じている」と回答。経営者の約7割がメンタルヘルスケアについて前向きに考えていることが分かった。一方で、「実施も検討もしておらず、今後も必要と思わない」が21.4％と、対策の必要性を感じていない経営者も少数いることが浮き彫りになった。
メンタルヘルスケア対策は「組織内のコミュニケーション増加」
前問で「すでに実施している」「実施していないが、実施を検討している」「実施も検討もしていないが、必要性は感じている」と回答した人に対し、具体的に実施済み、もしくは検討をしているメンタルヘルスケア対策を聞いたところ、54.8％が「組織内のコミュニケーションを増やす」、46.1％が「ストレスに関する問診・アンケート」、40.0％が「勤務時間・休日の調整」、37.8％が「産業医やカウンセラーによる面談・診療」となった。
厚生労働省が義務化しているストレスチェックの実施率は低い
厚生労働省が義務化しているストレスチェックの実施状況について聞いたところ、23.9％が「意義を感じ、真剣に取り組んでいる」、25.2％が「意義を感じ、真剣に取り組みたいが、手が回らず適当になってしまっている」と回答した。ストレスチェックの意義を前向きに認識し、真剣に取り組んでいる経営者は約2割にとどまり、運用面での困難を抱えている経営者が多い様子がうかがえる結果となった。
ストレスチェックに意義を感じる理由
前問で「意義を感じる」と回答した人に対し、その理由を聞いたところ、60.9％が「組織のストレス状況が分かり、改善に向けた取り組みを行えると考えるから」、59.4％が「メンタルヘルス不調の重症化の予防になると考えるから」、40.2％が「従業員の休職・離職率を減らすことにつながると考えるから」と回答した。
ストレスチェックに意義を感じない理由
一方で、「意義を感じない」と回答した人に対し、その理由を聞いたところ、53.7％が「ストレスチェックだけで正確なストレス状況が分かるとは思えないから」、23.2％が「ストレスチェックの詳細がよく分からないから」、20.1％が「ストレスチェックの結果を受けても何をしたら良いのか分からないから」と回答。ストレスチェックの効果や実用性に疑問を抱いていることから、意義を感じない経営者が多い傾向が見られた。
ストレス対策関連サービスに「信ぴょう性」を求める
企業向けのストレス対策関連サービスに求める要素については、43.3％が「データ・結果の信ぴょう性」、35.2％が「従業員側の取り組みやすさ」、34.5％が「価格の安さ」と回答した。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査概要：「“アフターコロナ”の企業のメンタルヘルスケア対策」に関する調査
- 調査期間：2024年10月29～30日
- 調査方法：PRIZMAによるインターネット調査
- 調査人数：1006人
- 調査対象：調査回答時に経営者と回答したモニター
- 調査元：SEN
- モニター提供元：PRIZMAリサーチ
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