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HRzine Day 2025 Winter セッションレポート | #11(AD)

元Google採用責任者が語る採用マーケティング〜最新データと企業事例から考える採用競争力の高め方〜

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 売り手市場が続く新卒採用。苦戦する企業の間で、採用活動に「マーケティング」の考え方を取り入れ、競争力を高めていこうという動きが広がっている。そうした中、イベント「HRzine Day 2025 Winter」において、元Googleの採用責任者で、現在は株式会社RECCOO CHROの草深生馬氏が「採用マーケティング」について解説。どのように学生のニーズを読み解き、自社の強みと掛け合わせていくか。採用戦略策定のポイントを事例とともに紹介した。

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登壇者

草深 生馬氏

草深 生馬(くさぶか いくま)氏

株式会社RECCOO CHRO

2011年IBM Japanへ新卒入社。新卒採用と部門担当人事を経験後「組織を作る」時点に関わるべく2014年にGoogle採用チームへ転職。国内新卒採用プログラムのリード、MBA採用プログラムのアジア太平洋地域リードを兼任する傍ら、Googleの人事制度について社内研究チームを組織し、より多くの企業・社会へ知見を共有すべく、人事制度のコンサルテーションや講演を実施。2020年春より株式会社RECCOOにてCHROを務める。

採用マーケティングが採用成功へのカギ

 まず話を始めたのは「企業が採用活動に力を入れるべき理由」だ。

 「採用活動の大目的は組織の持続的な成長です。組織が成長するためには、必要な人材の確保はもちろん、新たにメンバーが加わることによる組織の活性化が欠かせません」(草深氏)

  なお、採用には新卒採用と中途採用があるが、RECCOOでは新卒採用支援に注力しているという。「新卒採用のほうが優秀人材の獲得の再現性が高い」というのがその理由だ。

 ここで草深氏は、セッションを視聴している人に、「自社で活躍できる優秀な人材は採用できていますか」という質問を投げかけた。「ターゲットとする優秀な人材になかなか出会えない」「会えたとしても入社まで至らない」といった悩みを抱える企業が多いという。

 講演では、新卒採用の難度が高まった背景として、学生が企業の知名度を重視する傾向を強めたデータを紹介している。今まさに就活中の26卒は、65%が企業の知名度を重視しているとのこと。

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 「こうした背景から、ブランド力で勝負できる一部の企業以外は見向きもされなくなっているのが現状です。こうした状況ゆえ、優秀な人材の採用を成功させるための工夫が求められており、そのカギになるのが採用マーケティングの考え方です」(草深氏)

採用マーケティングとは

 採用マーケティングとは、マーケティングの考え方やフレームワークを採用活動に当てはめることで、採用活動の解像度を高め、自社にとってターゲットになる優秀な人材を獲得していくことだという。

 マーケティング戦略と採用戦略は、いずれも「STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)」からスタートする。STPを行った後、マーケティング戦略ではどんな製品を、どんな価格で、どのようにプロモーションし、どう流通させるのかを決めていくのに対して、採用戦略では実行戦略へと進む。

 「実行戦略においては、『認知→興味→応募→選考→内定承諾』という流れの中で、いかに途中での滞留や離脱を防ぐか、それぞれで打つべき施策を考えていきます」(草深氏)

 STPのSであるセグメンテーションとは、市場を細分化してグループ分けすること。採用マーケティングにおいては、学生の属性、エリア、志向性、経験・スキルなどを軸にグループ分けを行っていく。

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 STPのTであるターゲティングとは、自社の狙いを絞ること。学生に求める要件を正確に絞り込めているかどうかが、採用成果に大きく影響する。

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 STPのPであるポジショニングとは、ターゲットとする学生にどう魅力付けして競合企業に勝っていくかを決めること。魅力を訴求するためのメッセージ設計とも言い換えられる。

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 「メッセージ設計のポイントは、競合の強み、学生のニーズ、自社の強みの関係性を整理することです。いわゆる3C分析です。学生のニーズを満たす自社独自の強みをいかに伝えていくかがカギとなってきます」(草深氏)

 3C分析は、学生のニーズを把握することから始まる。代表的な方法としては「マスアンケート」と「デプスインタビュー」がある。マスアンケートはターゲットに対する定量調査で、世の中に出ている学生アンケートのデータを活用したり、アンケート調査業者に依頼したりする。デプスインタビューは1対1のインタビュー形式で行う定性調査で、内定者へのヒアリングやフォロー面談でのヒアリングなどを通じて行う。

 次に行うのが、競合と異なる自社の強みを整理することだ。その際には「4P分析が便利である」と草深氏は推奨した。4P分析では企業の魅力因子を、Philosophy(企業目標の魅力)、Profession(活動の魅力)、People(人材の魅力)、Privilege(条件の魅力)という4つに分類して洗い出していく。そのためには経営陣や社員へのインタビューが有効なほか、内定者へのインタビューが候補者目線での意見をもらえる点で特に役立つ。

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採用マーケティングの実行戦略はこう進めていく

 続いて草深氏は、採用マーケティングの実行戦略(認知→興味→応募→選考→内定承諾)に話を進めた。

 「学生からの『認知』を獲得するにはまず、どのようなチャネルを選定するかが重要になってきます。その際のポイントは、学生を認知と好意度のマトリクスで分類し、狙う層に応じたチャネルを選択することです。具体的には、潜在層向け、準顕在層向け、顕在層向けでチャネルが分かれてきます」(草深氏)

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 たとえば、認知はしているものの、まだ応募するほど好意度が高まっていない就活生(準顕在層)に対しては、彼ら彼女らのニーズを捉えた魅力的な採用コンテンツを用意することで、「興味」を喚起し、エントリーまで導いていく必要がある。コンテンツとしては、会社説明会や夏インターンシップ、秋冬インターンシップなどがよく展開されている。

 ここで草深氏は、ある金融系企業が設定した夏インターンシップを事例として紹介した。学生の興味を喚起するためのポイントは、夏インターンシップに関する「学生のニーズ」と「自社独自の強み」を掛け合わせること。そこでその企業では、「業務体験ワークを通じて企業理解を深めたい」という学生のニーズを満たすことを目指し、チューター社員といっしょに実在企業について徹底的に調べ、提案まで行う法人営業体験ワークを実施した。

 その企業が掛け合わせた自社独自の強みは、金融の枠に捉われない取り組みや、挑戦者を歓迎する社風であった。前者に関しては、銀行の存在価値とお客様と向き合う業務の醍醐味を感じてもらえるように仕立てを工夫。後者についても、期間中チューター社員が相談相手として伴走し、実務に近い高難度ワークに挑戦する学生を支援していく仕組みを構築した。

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 「取り組みの結果、もともと課題感があった企業イメージの払拭・変容に成功し、金融業界に全く関心がなかった学生層を発掘することができました。学生のニーズを踏まえて、自社の強みを伝えていく。この構造を外さなければ効果が狙えるコンテンツがつくれることを証明した事例であったと思います」(草深氏)

 実行戦略の最後は、「選考」および「内定承諾」である。ここで、草深氏が提示したのは内定承諾に寄与することを尋ねたデータであった。トップ3にランクインしたのは、「選考で社員の人柄・雰囲気が掴めた」「選考までに出会った社員が魅力的だった」「選考で社員が自分のことを認知し、評価された」であった。ここから分かるのは、選考段階で接触する社員が与える影響が内定承諾に大きく寄与するということである。

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 この結果を踏まえると、リクルーター面談やフォロー面談を実施し、コミュニケーションを通じてアトラクトしていくことが効果的だといえる。面談設計の際は、適切なメンバーをアサインすることと、学生と適切な信頼関係を築くためのスタンスをインストールすることがポイントとなる。たとえば、適性検査の結果などを踏まえ、学生と属性が近い社員を面談にアサインすることで、学生は自分が働くイメージを持ちやすくなる。加えて、面談では中立的な立場を維持しながら、学生に寄り添うスタンスをとってもらう。こうすることで、フラットに学生の本音を聞ける関係性を築けるようになる。

 ここまでの解説を踏まえ、草深氏は採用マーケティングを次のようにまとめた。

 「ターゲットがどんなニーズを持っているのか。それに対して自社が持っている武器の中でどれが一番効果的なのか。競合と比較したうえで何をアプローチしていけばよいか。それらをじっくり考えて、ぶれずに取り組み続けることで、ターゲット学生を入社に導けるはずです」(草深氏)

RECCOOがご支援できること

 セッションの最後に草深氏は3つ目のアジェンダとして、RECCOOの3つのサービスについて解説した。

 1つ目が「一括エントリー」。1ヵ月で1000名分のエントリーシートを取得できるというものだ。学生は1枚のエントリーシートで参加企業15~30社に一括でエントリーできるようになっているため、業界・企業を絞り込む前のフラットな学生が多いのが特徴となる。

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 2つ目が、オンラインの合同説明会「EXHIBITION」だ。企画のコンセプトは「偶然の出会いが、未来を作る」。イベントの前半は、企業名を記載せずコンテンツタイトルだけで集客、後半では通常の合説形式で集客を行う。これにより、自社のことを知らなかったが講演テーマに興味を持った潜在層の学生と、自社を知っていて興味を持ってくれている顕在層の学生双方にアプローチができる。

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 3つ目が、AIを活用したクラウド型適性検査「アッテル適性検査」である。これは、母集団の中から入社後に活躍・定着できる人材を見極めることができる適性検査だ。単純に優劣が判断できない設問になっているため、ごまかしが効かず、より正確に学生の性質を判断できるのが特徴だ。

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 最後に草深氏は、「ぜひ採用マーケティングの仕方や考え方を用いて、自社の採用戦略を洗練し、採用を成功へと導いてください。私たちも最大限にご支援させていただきます」と述べてセッションを締めくくった。

母集団形成に課題を感じている方におすすめ

 弊社RECCOOは、さまざまな会社/団体/サービスと提携し、超上位校を含む約8万人の優秀学生のタレントプールを自社で抱えており、イベント・メディア・ダイレクトリクルーティングなど、さまざまなチャネルを駆使して、優秀学生との出会いの機会をご提供します。本記事で興味を持たれた方は、RECCOO公式サイトからお問い合わせください。

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提供:株式会社RECCOO

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://hrzine.jp/article/detail/6456 2025/04/23 10:00

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