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HRzine Day 2025 Winter セッションレポート | #12

味の素社のキャリア採用奮闘記!「人も組織も不幸にしない採用」を掲げ、現場を巻き込みながら進んだ2年半


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「空気を読まずに思いきりやる」 “3年後の目標”を1年で実現できた理由

 一方で、キャリア採用の改革はけっして平坦な道のりではなかったと振り返る。井上氏と中澤氏は多くの課題や壁に直面し、改革の過程で「採用業務がこれほど大変なのか」と痛感する場面も多かったという。

 「さまざまな立場の方の思惑の板ばさみになることが多々ありました。たとえば、私は営業部門に15年いましたが、営業の経験がない人は営業についてあまり意見を言いませんし、研究開発を経験していない人は研究開発について細かく口を出すことはありません。

 しかし、採用に関しては業務経験の有無に関係なく『どうしてこういうことをやらないの?』『今の採用はダメだよね』といったような、さまざまな意見をいただくことが少なくありませんでした。加えて、何か問題が起こると『人事部の責任』とされるため、最初のうちはそのプレッシャーを重く感じることもありました」(井上氏)

 こうした状況の中でも、「採用チームが社内“だけ”を見て仕事をしていると、市場や候補者の動き、競合企業に遅れてしまう」「これまでの味の素社になかった仕組みや考え方、フローを新たにつくるのだから、さまざまな意見が出るのは当然」と捉え、改革を進めていった。

 「空気を読まずに、思いきってやる」

 この姿勢を貫くことが、2人の共通認識だった。井上氏は、中澤氏に対し、「今までの味の素社のやり方を全否定しても構わない。一番情報を持ち、一番考えている人が判断すべきだから、しっかり判断しなさい」と伝え、権限を委譲した。また、スピード感を重視し、「3年後にこうありたい」という目標を「1年で実現する」ことを意識した。

 「大手企業は承認プロセスが多いため、丁寧に進めると時間がかかってしまう。そこで、1年で形にするためにはどうするかを常に考えながら進めました。このスピード感が、2年間の改革の成果につながったのだと思います」(井上氏)

 この取り組みの結果、採用チームのメンバーが増えただけでなく、採用に関わる部門の理解者も増えていった。

 「2022年、2023年度と走り抜けた結果、2024年度には、多くの方に味の素社とのご縁をいただき、さらに多くの社員が採用活動に関与するようになりました。こうした状況が、少しずつ社内に定着しつつあることが、私たちが最も誇れる成果だと感じています」(井上氏)

味の素社が目指す採用の形とは

 では、今後の味の素社の採用はどのように進化していくのか。

 2024年3月、味の素社は有価証券報告書の中で、キャリア採用に関する2030年までの目標を公表した。これまでキャリア採用の文化が根付いていなかった同社だが、社外に対して明確な目標を掲げたことは大きな1歩だった。

[画像クリックで拡大表示]

 今後、採用チームとして目指す方向性について、井上氏は次のように語る。

 「今後は、候補者との直接接点を増やし、採用の規模を拡大していきたいと考えています。直接コミュニケーションを取ることで、入社前後のギャップを最小限に抑えられますし、より良いマッチングが可能になると考えています。また、将来的には、新卒採用とキャリア採用の垣根をなくし、一体となって運用していくことにもこだわって取り組みます」(井上氏)

 最終的に目指す姿は、「必要なタイミングで、必要な多様な人材を、社内外からタイムリーに獲得できる」組織の実現だ。

 「採用は、事業の成長を支える重要な戦略の1つです。そして採用の力で味の素社を前に進めていくことが、私たち採用チームの役割だと考えています」(井上氏)

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この記事の著者

山田 優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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