月刊総務は、全国の企業を対象に「両立支援に関するアンケート調査」を実施した。
約7割がビジネスケアラー支援に課題あり
ビジネスケアラー(働きながら家族の介護に従事する人)への支援に課題意識があるか質問したところ、「とてもある」が24.3%、「ややある」が45.3%で、合わせて約7割の企業が何らかの課題を感じていることが分かった。
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育児や介護による休業・退職・雇用形態の変更は、女性のほうが多い
この2年間に、育児や介護を理由に退職・休職した社員がいたか聞いたところ、育児では「休職した女性社員がいた」が35.8%、介護では「休職した女性社員がいた」が24.3%でそれぞれ最多となった。
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約3割の企業で、育児との両立のために雇用形態を変更した女性社員がいる
両立のために雇用形態の変更をした社員がいるか質問すると、育児では女性社員が29.7%、介護では女性社員が18.9%となった。
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導入している支援制度は「育児休業制度」が最多
両立支援のために実施している制度を聞いたところ、「育児休業制度」が85.8%で最多となり、次いで「介護休業制度」81.8%、「時短勤務」73.0%と続いた。
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両立支援制度の利用、昨年調査時より男女差が縮まる傾向
両立支援制度を利用している社員の男女比について質問したところ、介護では約7割が「男女差はない」と回答し、育児では約6割が「女性が多い」と回答した。育児は「男女差はない」の回答が前回調査時(2024年2月)より12.1ポイント増加している。
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育休は女性のほうが取得しやすさを感じている傾向
育休が取りやすい文化だと思うか聞いたところ、女性のほうが制度を「利用しやすい」と感じている傾向が分かった。
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介護休業の取りやすさは、男女で実感値に大きな差はなし
介護休業が取りやすい文化だと思うか質問すると、育休と比べて男女差は少なく、男性は58.7%、女性は66.2%が「取りやすい文化」だと回答した。
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介護休業の取得目的は「直接介護をする必要があるため」が最多
介護休業の取得目的について聞いたところ、「直接介護をする必要があるため」が81.0%で最も多く、次いで「ケアマネジャーなどとの打ち合わせのため」が40.5%、「介護サービスを選定するため」が35.7%と続いた。
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休業者の業務は「現場のメンバーによる分担」が8割超
休業した社員の業務の調整方法について聞いたところ、育児・介護ともに「現場のメンバーによる分担」が最も多く、育児で81.4%、介護で82.9%となった。また、「派遣社員・契約社員の採用」は、介護よりも育児において実施されていることが分かった。
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通知・促進の手段は「社内報などでの発信」「相談窓口の設置」が上位
両立支援制度の通知・取得促進について質問すると、「社内報などでの発信」が育児で45.9%、介護で39.2%、「相談窓口の設置」が育児で41.9%、介護で41.9%と上位となった。
両立支援の課題は「現場社員の負担増」が最多
両立支援に関する課題について質問したところ、「現場社員の負担増」が育児70.9%、介護68.9%で最多となり、次いで「給与や待遇の低下」「上司や同僚の理解不足」が続いた。
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実態把握の方法は「本人からの申し出」が最多
育児・介護の実態把握方法について聞いたところ、「本人からの申し出」が育児で85.8%、介護で81.1%と圧倒的に多く、企業側が積極的に情報を取得する仕組みは限定的であることが明らかになった。
社員の介護の可能性を「十分に把握している」は6.1%にとどまる
潜在的な介護の可能性の把握状況について聞くと、「十分に把握している」は6.1%、「やや把握している」が37.2%で、合わせても4割程度にとどまった。「あまり把握していない」「まったく把握していない」が過半数を占め、企業における把握の不十分さが課題となっている。
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2025年改正法への準備、項目により対応状況に大きな差
育児・介護休業法の改正に関する準備状況について質問したところ、項目により対応状況に大きな差が見られた。特に、テレワークに関する項目は、育児・介護ともに「まったく準備していない」企業が3割を超えている。
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両立支援の自社評価は、育児よりも介護で低水準
自社の両立支援の推進状況について質問すると、育児は68.9%、介護は50.0%の企業が「推進されている」と回答した。特に、介護に関しては「あまり推進されていない」「まったく推進されていない」が過半数に迫っており、今後の課題といえる。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名称:両立支援についての調査
- 調査機関:同社調査
- 調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
- 調査方法: Webアンケート
- 調査期間:2025年2月6〜13日
- 有効回答数:148件
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