カオナビは、企業の人事担当者を対象に「生成AI活用に関する実態調査」を実施した。調査の結果は次のとおり。
生成AIを活用している人事担当者は約4割
「業務で生成AIを使用しているか」という問いに対し、人事担当者の43.7%が使用していると回答した。生成AIを業務で使用していない人事担当者に対し、その理由を聞いたところ、「特に理由はない」(38.5%)に続いて多かったのが、「どのように使うのか分からない」(23.7%)、「必要性を感じていない」(23.7%)だった。「情報の正確性に不安がある」(17.8%)、「セキュリティリスクが気になる」(17.8%)と続き、生成AIへの理解不足や信頼性への懸念が活用が進まない一因となっていることが分かる。

人材採用や勤怠・離職率データの分析などで活用
生成AIを業務で使用している人事担当者131名に対し、どのような業務で活用しているかを聞いたところ、最も多かったのは「人事レポートやコンテンツの草案作成」(38.2%)だった。次いで「採用関連」(34.4%)、「勤怠データや離職率などの可視化・分析」(32.1%)、「人事評価」(31.3%)、「エンゲージメントサーベイの集計・分析」(30.5%)と続き、人事に関する情報の整理や言語化に生成AIを活用している傾向が見られた。また、「研修資料やeラーニング教材の作成」(29.0%)や「人材配置の提案」(26.7%)など、育成や異動に関わる業務にも幅広く活用されていることが分かる。

人事担当者が生成AIを活用している会社ほど、人的資本経営を「非常に重視している」割合が高い
「所属企業が人的資本経営をどの程度重視しているか」を聞いた結果、生成AIを業務で活用している人事担当者(n=131)のうち、32.8%が「とても重要視している」と回答し、未活用者(n=169)の16.6%の約2倍であった。一方で、「分からない」と回答した割合も、生成AI活用者が3.1%だったのに対し、未活用者では30.2%に上り、生成AIの活用度合いと人的資本経営の理解に一定の相関が見られた。

なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査名:人事担当者の生成AI活用に関する実態調査
- 調査主体:株式会社カオナビ
- 調査方法:Webアンケート方式
- 調査期間:2025年5月14日~16日
- 対象者:全国20〜50代の人事担当者(男女)300名
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