ビズリーチが運営する研究機関「ビズリーチ WorkTech研究所」は、管理職経験者を対象にアンケートを実施。管理職経験者の78.3%が「直近5年でマネジメントは難しくなっている」と回答した。
マネジメントが難しくなっていると感じる理由の上位3つは、「ハラスメント意識の高まりへの対応」(50.8%)、次いで「多様性の増大と価値観の多様化への対応」(34.6%)、「メンタルヘルス問題への対応」(34.3%)だった。多様な個人に向き合う必要性の高まりが、マネジメントを難しくする要因になっていると考えられる。
また、現代のマネジメントに特に求められていると感じることとして、「モチベーション向上のための対応」(37.6%)、「部下個人の成長支援」(35.5%)が上位となった。現代の管理職には、従来の業務管理に加えて、多様化する個人の価値観や感情に寄り添いながら、意欲と成長を引き出す役割も求められていることが読み取れる。
こうした「多様な個人と向き合う」マネジメントの難しさを象徴するのが「年上の部下(年上部下)」の存在だ。管理職経験者の83.2%が「年上の部下を持った経験がある」と回答し、そのうち68.0%が「そのマネジメントに悩んだ経験がある」と回答した。具体的な課題として「モチベーション維持の難しさ」(40.1%)や「指示やアドバイスの伝えにくさ」(34.6%)が上位に挙がり、ポジションと年齢が比例しないことからくるこうした課題が、マネジメントの難化の一因となっていることがうかがえる。
同調査を踏まえ、ビズリーチ WorkTech研究所 所長の友部博教氏は次のコメントを述べている。
「これからのマネジメントは、管理職の属人的なスキルではなく、組織全体で個を理解し生かす情報収集と分析、アクションへつなげる仕組みの構築が問われています。データと対話の両輪で1人ひとりの力を引き出すことが、多様な人材のパフォーマンス最大化と組織の持続的成長を支える鍵となります。多くの企業が社員のデータ活用を進める今こそ、データの活用を前提とした『管理職の役割』を再定義し、新たなマネジメントへと変革する転換点にあるといえるでしょう」(友部氏)
調査概要
- 調査内容:管理職のマネジメントに関する意識調査
- 調査対象:年収1000万円以上のビジネスパーソンのうち、管理職経験者
- 調査期間:2025年9月19日~2025年9月25日
- 有効回答数:465

