従業員と会社の関係性を構築・強化するBtoE領域の「Corporate Gift」
企業が取引先や顧客、従業員などに感謝の気持ちを表すために贈る「Corporate Gift(コーポレートギフト)」。贈った相手との関係性構築・強化にもつながるこのギフトは、ギフティ 代表取締役の太田睦氏によれば、欧米ではすでに一般化している。また、2022年から2025年にかけて年平均成長率(CAGR)6.5%の成長が見込まれ、2025年には市場規模が2580億ドルに達すると予測されているという。
日本国内における認知はまだこれからというが、コロナ禍によるリモートワークの普及を背景に、デジタルギフト(店頭やECサイトで商品・サービスと引き換えられるチケットをURLで贈るもの)を取り扱う同社には問い合わせが急増。ギフティ 執行役員 giftee for Business事業部 本部長の篠塚大樹氏は、この3年間でCorporate Giftの案件数が約4倍に成長したと明かす。

中でも注目すべきは、BtoE(従業員向け)領域での活用だ。従来の永年勤続表彰や周年記念といった儀礼的なものから、誕生日ギフトや福利厚生など、より日常的かつ情緒的な接点へと活用の幅が広がっている。
従業員が感謝を伝える仕組みもデジタルギフトで実現
BtoE領域でのデジタルギフトの活用事例として、ギフティ Gift Distribution Corporate Gift Directorの熊谷優作氏は、三菱UFJフィナンシャル・グループの20周年施策を紹介した。この施策ではMUFGグループ社員が「コーヒーギフト付きe感謝状」を自身の家族や大切な方に贈れる仕組みを構築。社員が日ごろの感謝を伝えられるようにした。
コーヒーギフト付きe感謝状は、デジタルギフトにメッセージ(カード)を添えてメールやチャットツールで贈ることができるサービス「giftee Thanks Card」と、全国のコンビニエンスストアで利用できるコーヒーのドリンクチケットを組み合わせたもの。これを、ギフティのグループ会社であるpaintoryが従前から提供する社内限定オリジナルグッズECサイトを利用し、社員が贈りたいタイミングでのシームレスなe感謝状の購入・配布を可能にした。

次ページからは、この三菱UFJフィナンシャル・グループの事例について、関係者インタビューの形で詳しくお伝えする。
ここからは、発足20周年を迎えた三菱UFJフィナンシャル・グループが、ギフティと実施した周年施策について、次の方々にインタビューした模様をお伝えする。
- 飾森亜樹子氏(株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ 経営企画部 ブランド戦略グループ 部長 チーフ・コーポレートブランディング・オフィサー)
- 太田睦氏(株式会社ギフティ 代表取締役)
- 熊谷優作氏(株式会社ギフティ Gift Distribution Corporate Gift Director)
パーパスを自分事化するための「感謝の可視化」
——昨今、企業から従業員へのギフトを通じて従業員体験(EX)を向上させる動きが強まっています。その背景について、太田さんのお考えをお聞かせください。
太田睦氏(以下、太田) 弊社がデジタルギフトを活用した法人向けサービス「giftee for Business」を開始したのは2016年ですが、当時は企業の販促やプロモーションでの活用が中心でした。Corporate Giftのニーズが顕在化したのはコロナ禍からです。リモートワークや副業の普及により働き方が多様化し、企業様からは「従業員とのエンゲージメントが薄れている」という課題を頂戴することが増えました。また、若年層を中心とした人材流動化も進んでおり、採用だけでなく「いかに定着し、活躍し続けてもらえるか」が重視されています。会社から「しっかり見てもらえている」「働く実感が得られている」と感じてもらう必要性が、背景要因として非常に高まっていると感じます。
——エンゲージメントは多くの企業の課題ですね。三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)さんでは、20周年施策のコンセプトとして「これまでの20年の感謝を、未来の20年(変革)につなぐ」を掲げられています。この言葉に込められた意味を教えてください。
飾森亜樹子氏(以下、飾森) MUFGにとって「感謝」という言葉には、エンゲージメントにとどまらない深い意味があります。私たちは2021年に「世界が進むチカラになる。」というパーパスを定め、カルチャー改革を進めてきました。その中で大切にする価値観の1つとして「挑戦とスピード」を掲げているのですが、当初はビジネスコンテストやキャリア公募など、分かりやすくチャレンジングな行動ばかりにフォーカスが当たってしまったんです。しかし、私たちが目指す挑戦は、1人ひとりが身近な誰かの力になるという、小さな積み重ねの先にあるものです。
——大きな挑戦だけでなく、日々の貢献を大切にしようということですね。
飾森 はい。パーパスを自分事化するためには、誰かのためになっている行動をしっかり認知し、見える化して称え合うことが不可欠だと考えました。感謝や称賛を社内コミュニケーションの中に組み込み、挑戦とスピードを絡め合わせていく。この20周年という節目に、みんなが誰かに対して感謝を形にすることで、「自分もパーパスを体現しているんだ」という実感を持ってほしかったのです。一過性のお祝いではなく、社員が自発的に感謝を伝え合う施策を目指しました。
——まさに、パーパスの根っことなる部分にフォーカスされたわけですね。では、今回のギフティさんとの連携はどのようなきっかけで始まったのでしょうか。
飾森 もともと、社員が参加する社会貢献活動向けのウェア・グッズに関する在庫課題や運用負荷を解消するプロジェクトなどで、ギフティさんのグループ企業でオンデマンド型のオリジナルアパレル・グッズ企画のプラットフォームを有するpaintoryさんとお付き合いがありました。在庫リスクや拠点ごとの配送、問い合わせ対応といった悩みに柔軟に応えてくださる姿勢に、非常に信頼を寄せていたんです。当初は20周年の記念グッズをお願いする予定でしたが、グループ全体の多様な社員の価値観に合う「1つの物」を決めきれず、悩んでいました。そんなタイミングで、ギフティさんからいただいたCorporate Giftの「pass the flower[1]」を拝見し、「まさにこれだ!」と直感したのが始まりです。

注
[1]: ギフティオリジナルの花束型の紙のギフトカード。「キモチの循環を促進することで、よりよい関係でつながった社会をつくる」をミッションに掲げるギフティが、自社のCorporate Giftとして取引先・顧客へ贈るギフト。裏面に印字されている二次元コードによりデジタルギフトを贈ることができ、メッセージも書き込める。ギフトボックスに4枚入っており、受け取ったお相手はさらに同僚などへ感謝や労いのキモチを花束カードで贈ることができる。
——日本人の国民性として、面と向かって感謝を伝えるのは照れくさい部分もありますよね。
飾森 そうなんです。特にご家族に対しては恥ずかしくてできないこともある。でも、すてきなカードと少しのギフトがあれば、それが背中を押すきっかけになるのではないかと考えました。そこから2025年の7月後半に検討を開始し、10月のリリースに向けて一気に動き出しました。
MUFGグループの想いをつなぐシステム構築と運用の裏側
——検討が始まってからのことを、熊谷さん、振り返っていただけますか。
熊谷優作氏(以下、熊谷) 飾森さんからイメージを伺い、弊社のgiftee Thanks Cardをご紹介しました。ただ、MUFG様のグループ全体で実施される規模感と、限られた人数の事務局でどう普及させるかが大きな課題でした。そこで、すでにご導入いただいていたpaintoryの社内限定オリジナルグッズECサイトを基盤として活用し、giftee Thanks Cardをそこで購入・配布できる仕組みを提案しました。
MUFG様のような多様な業態のグループ会社を抱える大規模組織で、各業態が主体的に動けるようなスキームをつくることは、我々にとっても大きな挑戦でした。さらにMUFG様の事務局数名のチームでグループ全体の社員が利用するサービスを運用しなければならない。毎週定例会議を組み、銀行、信託、証券といったMUFG様の業態ごとの意見をどう集約し運用できるようにするか、喧々諤々の議論を重ねました。
飾森 金融機関ならではのネットワークやシステムの厳しい制約に対し、ギフティの皆さんは本当によく向き合ってくださいました。私たちが「これはできるか」と投げかける問いはいずれもハードルがあるものなのですが、できない場合も代替案を丁寧に提示し、社内調整まで含めて尽力いただいた。ギフティおよびpaintoryさんの各部署の綿密な連携には感謝しかありません。
——施策の核となったのは「コーヒーギフト付きe感謝状」ですが、なぜコーヒーだったのでしょうか。
熊谷 当初はメッセージのみの送付も検討されていましたが、ギフトがあることで「行動の後押し」ができると考えました。MUFG様側でも、何を贈るかはかなり議論されたポイントだと思います。
飾森 物品を贈ることが目的にならないよう、「感謝を伝えるツール」であることを最優先しました。そのうえで、忙しい日々の中で、ホッと一息つく時間を贈りたい。また、全国どこに住んでいてもリーチでき、ご家族が受け取った際にすぐ利用できる利便性を考え、最終的に全国にあるコンビニエンスストアでコーヒーに交換できるドリンクチケットを選びました。
——10月のリリースから約2ヵ月(インタビュー時点)経ちます。現在の利用状況はいかがですか。
飾森 開始1ヵ月ちょっとで約2000件の申し込みがありました。「家族に感謝を伝える良い機会になった」「感謝を気軽に表現できた」といった声が届いており、感謝を伝え合うカルチャーが育ち始めている手応えを感じています。特設サイトや各社内ポータルのバナー、メールによる告知も功を奏しました。また、当初想定していたご家族だけでなく、上司から部下へ、あるいは派遣社員の方へといった、社内コミュニケーションの活性化にも使われています。
熊谷 私が印象的だったのは、初回に会社が社員に配布した無料クーポン(会社補助分)を利用した後に、自ら5人分などを自費で購入して贈っている社員の方が多くいらっしゃることです。会社から与えられたから利用するのではなく、主体的に気持ちを伝えにいっている。データとしてもその動向が見えており、非常に意義深いと感じます。

——まさに感謝の輪が広がっていますね。運用面では、paintoryさんがカスタマーサポートも担っていると伺いました。
熊谷 はい。社員からの操作方法などの問い合わせはpaintoryで受け、事務局の判断が必要なものはMUFG様と密に連携して回答しています。この20周年チームとの迅速なコミュニケーションがあってこその安定運用だと思っています。
——最後に、今後の展望について教えてください。
飾森 本施策は2026年9月まで続きます。時節に合わせてカードデザインを追加するなど、リピートしたくなる仕掛けを続けていきたいです。最近では冬限定のデザインを追加しました。
太田 MUFG様との事例は、我々が定義するCorporate Giftのど真ん中といえるものです。今後はさらに皆様の気持ちを表現するコンテンツの幅を広げ、デジタルギフトや体験ギフト、高品質なモノ、Swag(オリジナルグッズ)など、最適なコンテンツ、フォーマット、届け方を企業のあらゆる想いに応えられるよう磨いていきます。短納期で提供できるパッケージモデルなども準備し、日本におけるCorporate Giftの市場をさらに広げていきたいと考えています。
——MUFGグループの感謝をデジタルとリアルでつなぐ試み、今後の広がりも楽しみです。本日はありがとうございました。
BtoE領域のCorporate Giftはギフティへご相談ください!
Corporate Giftは、企業が取引先や顧客、従業員に対して関係性構築・関係性強化を目的として感謝の気持ちを表すために贈るギフトです。従業員向けには、新入社員向けのウェルカムギフトや誕生日ギフト、周年記念、営業報奨、健康経営の施策などの用途で多数ご活用いただいているほか、デジタルギフトの割引購入やクーポンの利用ができる福利厚生プログラム基盤「giftee Benefit」を提供しております。企画段階からのご相談も承っており、販促施策や導入効果、活用事例などもご紹介可能です。本記事でご興味を持っていただけた方は、オンライン相談ページより、お気軽にご連絡ください。

