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HRモダナイゼーション ~グローバルのベストプラクティスに学ぶ日本人事への提言~ | 第9回

グローバル標準のタレントアクイジション(TA)組織とは? 従来型採用チームとの違い・実践ポイント

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日本企業でTA組織化を進めるために必要なこと

 ここまで読んでいただいた方は、「TA組織を採用チームと訳してはいけない」という意味を理解していただけたかと思います。採用チームの呼び名をTA組織と変えただけでは意味がありません。では、グローバル標準のTAを機能させるために何が必要となるのか。以下にそのポイントを挙げてみます。

①人材獲得に対する共通認識

 社外からの採用も社内での異動も、会社や組織にとって「人材獲得」の活動になります。TA組織化への取り組みを採用チームだけの変革と受け取られないように、人材獲得は社外・社内で区切らず大きく1つの枠組みで考えるという共通認識を社内で持つことが重要です。

②人事機能の再編

 TA組織に社内外の人材獲得推進の役割を持たせると、他の人事機能の役割再編も必要になります。たとえば、社内公募は社内採用とみなしてTA組織の管轄とする、会社主導の定期異動は人材獲得とは別概念なので他チームで推進する(併せて定期異動の必要性を改めて問い直してもよいかもしれない)、HRBPから人材獲得に関する助言機能を切り離す、といった機能再配置が検討事項となりますし、この機会に人事機能全体のあり方を見直してもよいかもしれません。

③採用力の強化

 社外の潜在候補者とつながりたいとき、以前なら採用エージェントだけが持つ求職者データベースに頼る必要がありました。しかし、ビジネスSNSや採用データベース提供サービスなどの普及した現在は、自社から直接社外の候補者にコンタクトを取りやすくなりました。また、自社に興味を持ってくれている人などを、採用管理システムの候補者プール機能で管理できるようにもなりました。こうしたダイレクトリクルーティング環境の充実は、採用力の強化につながり、採用エージェントに限らず複数の選択肢から最適な採用手段をとることを可能にします。

 ちなみに、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用を強化すると、採用エージェントに支払うフィーなどを抑えて採用コストを削減することもできます。

④オープンポジションに限定した人材獲得

 「良い人がいたら採る」という曖昧な採用は、将来の人員だぶつきにつながり、財務の観点で生産性を悪化させるリスクがあります。

 人員を増やすフェーズにある企業では、スピード感と直感で優秀な人材をどんどん獲得していきたいという気持ちがあるかもしれませんが、事業計画・要員計画に基づいて承認されたポジションに対してのみ人材獲得を行うことは、健全な経営につながります。

[画像クリックで拡大表示]

*     *     *

 今回はTA組織の役割という点から、日本の採用チームの課題や変革すべき点を紹介しました。TA組織は社内外の人材獲得を担うという点で採用チームと異なりますが、外部採用だけに限定しても事業戦略に貢献するために高い採用力を発揮するという点でも異なります。ですので、自社でTA組織化を進める際は、人事組織全体の変革や各人事機能のプロ化も検討するのが望ましいです。HRモダナイゼーション推進の参考にしていただけると幸いです。

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この記事の著者

籔本 レオ(ヤブモト レオ)

ワークデイ株式会社 チーフHRストラテジスト。
外資系コンサルティングファームにて、HRトランスフォーメーションを中心とした人事領域のコンサルティングに従事。その後、 事業会社(日本企業)に移り、人事部門の立場から戦略的なHRオペレーティングモデルへの変革をリード。Workdayに入社する前は、外資系ソフトウェア企業にて...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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