本稿は、ICTを活用した次世代教育を知りたい先生・親向けWebメディア「EdtechZine」で公開中の記事を転載したものです(元記事)。
「デロイト ミレニアル年次調査」は、1983年1月~1994年12月生まれで、学位を取得しており、おもに民間の大企業でフルタイム勤務をしている世界36か国のミレニアル世代1万455名(日本では337名)を対象に、2017年11月~2018年1月の期間に実施されている。
「2018年 デロイト ミレニアル年次調査」のうち、第4次産業革命に対する意識を尋ねた質問では、日本と世界では大きく異なっており、第4次産業革命を「自身の仕事の一部もしくは全部が取って代わられる」と否定的に捉える割合は日本、世界ともに同水準(日本18%、世界17%)だったが、「よりクリエイティブで、人間らしい、付加価値の高い仕事に注力できるようになる」と捉える割合は、世界では52%だったのに対して、日本では32%にとどまった。
「何の影響もない」(日本33%、世界23%)、「わからない」(日本17%、世界8%)といった回答も日本の方が多く、テクノロジーの進化によってよりよい働き方が実現するという期待が、世界と比較して少ないことが明らかになっている。
さらに、第4次産業革命を迎えるにあたって、「現時点で必要なスキル・知識に自信がある」(日本10%、世界36%)、「会社からスキル・知識習得に向けたサポートを受けている」(日本13%、世界36%)といった質問についても、世界と比較して非常に低い結果となった。
なお、デトロイトグローバルによる「第4次産業革命への対応準備調査」でも、第4次産業革命に対する日本企業の準備の遅れが明白となっており、人材育成の面で新時代を見据えた対応が急務となっている。
このほか「2018年 デロイト ミレニアル年次調査」によれば、日本のミレニアル世代は2年以内の短期離職を考える割合が、5年以上の長期勤続を見込む割合を上回っており、勤務先の選択では報酬とともに柔軟な働き方や、心身の健康を重視し、従業員の生活向上を期待する傾向にある。
また、ギグ・エコノミー(インターネットなどを通じて単発や短期の仕事を受発注する、非正規労働によって成立する経済)が拡大する中にあって、およそ半数が「雇用関係によらない働き方」を肯定的に捉えていることがわかった。