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早期に就職活動を始めるようになった背景
学生が、就職活動を早期に始めるようになった理由には、大きく2つある。1つは、日本の有名な大手企業に入って定年まで勤めるというモデルが、以前より成り立ちにくくなったことだ。つまり、企業や学校から与えられた情報だけを見ていたら痛い目に遭う可能性があるということだ。例えば、大手銀行に盲目的に就職したら将来路頭に迷う可能性があることを、学生は気にしている。
学生は、大手銀行が今後立ち行かなくなる問題について、本質的なところを理解しているわけではない。しかし、少なくともAIといったキーワードは認識している。そのため、「AIが普及すると銀行の業務は削減されて、人員がだいぶ不要になるのでは」というところくらいは想像が及ぶ。
もう1つは、外資系企業やベンチャー企業の採用が増えたことだ。外資やベンチャーは経団連に加入していないため、採用のルールが実質ないに等しい。一部のベンチャーでは、大学3年生になる直前の2年生を対象にしたり、1〜2年生だけを対象にした就活イベントを実施したりしている。
こうした外部環境の変化によって、学生は、早く始めざるを得なくなっているのである。
知られているように、外資系やベンチャー企業では大学3年生の夏休みに内定が出る。そこで就職活動をやめる学生も少なくない。彼らにアプローチしたければ、夏休みまでいかに勝負するかが重要だ。