今使えるデータでサービスの改善提案ができる人を求めた
――なぜ、データサイエンティスト職を目指されたのでしょうか。
本多雄太朗氏(以下、本多):ヴォーカーズは新卒で入社した会社から数えて3社目なのですが、2社目に在職中、会社に蓄積されたテキストデータを何かのサービスに活用できないか試す過程で、自然言語解析への関心を深めたんです。また、機械学習や深層学習などの技術が盛り上がっているのを見て、自分も取り組んでみたいと思っていました。
そこでデータ分析系の職種を探していたところ、エージェントに、データサイエンティスト職で募集しているヴォーカーズを紹介されました。データサイエンティストとしての経験はなかったのですが、大学院まで数学を専攻していた自分には、エンジニアより向いているのではないかと考えて応募しました。
ただ、データサイエンティストとしての内定オファーは、ヴォーカーズを含めて複数社からいただいていました。
――その中で、ヴォーカーズを選んだ理由は?
本多:これまでの業務経験を通して、Vorkersが社会的に必要であることを強く認識したからです。ヴォーカーズに入社までに2社経験していますが、最初の会社が知名度も人気もある大企業だったのに対し、2社目は従業員数200名程度と規模が小さな会社でした。評判は最初の会社に比べると高くありませんが、新しい技術に積極的で、技術者としてやりがいをもって働けたのは2社目の会社だったのです。周りに最新の技術を貪欲に活用するエンジニアが多く、刺激的な環境でした。このようなことは実際に働いてみないとわかりません。働く立場から見た会社の内情を明らかにするサービスが必要と考え、そんなサービスを提供しているヴォーカーズに貢献したいと思いました。
――ヴォーカーズとして、未経験だった当時の本多氏の採用に踏み切ったのは、何が決め手だったのでしょうか。
恵川理加氏(以下、恵川):当時のヴォーカーズは、提供しているサービスを継続的に改善するために必要な社内データ基盤が整備されたばかりでした。データサイエンティストとしての経験者を探していたのですが、技術的な経験は必須の条件ではありませんでした。それは、どんなに技術的な経験が豊富でも、データをどうサービスの改善に使えるかを考え、一緒にサービスの質を高めてもらうことができなければ、チームの即戦力にならないからです。新しい技術をただ追いかけるよりも、今使えるデータで、サービスを良くする提案ができる人を重視していました。
私どもも多くの候補者と面談を重ねましたが、技術に加えてビジネスに関する課題設定ができるバランス感覚がある人が意外に少ないのです。本多の場合、独学で勉強を進め、実際に統計解析を自分でやってみた経験があり、サービスに関する提案が可能な人物と評価しました。