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なぜ大手企業から転職したいのか
若手ポテンシャル層とは、社会人1~3年目で、大学でいうと早稲田大学や慶應義塾大学以上の大学を出ており(学部は問わず)、かつ就職活動で東証1部に上場している社員1万人以上の大手企業に就職している人をイメージしてほしい。ここでいう大手企業に該当するのは、トヨタや日産といった自動車会社、日立、NEC、富士通といった大手IT系メーカー、三菱UFJ銀行や三井住友銀行といった大手金融機関などだ。
若手ポテンシャル層が第二新卒で転職しようとしている場合、その理由はおおよそネガティブなものだと考えてよい。どう考えても、せっかく有名企業に入ったのにすぐ転職を考えている時点でポジティブではないだろう。
では、すぐに転職をしようと考えている若手はダメなのだろうか。私はそうは思わない。昨今、一部の大手メーカーやほとんどの銀行は先行きが心配されており、優秀な人材の流出が続いている。福利厚生面で優れていると言われていたNTTデータですら、エンジニアが続々とGAFA(主にGoogleとAmazon)に流出している。
周りの転職状況や会社の先行きにいち早く不安を感じ、転職を検討している時点でアンテナが高く、むしろ優れた人材であると私は考える。
企業名よりもスキルを早く身に付けたいと感じる流れに
だが、最終的に若手ポテンシャル層を転職へと駆り立てるのは、自分にスキルが身に付いていかないことへの不安である。一昔前であれば、スキルが身に付いていかないということに気がつかなかったかもしれない。だが昨今では、コンサルをはじめ、外資系企業で1年目からバリバリ働いている友人が彼らの周りにいる[1]。そのため、1年目から周囲とスキルに差がついていくのではないかと危惧する若手が、大手企業に増えてきているのだ。
また、若手ポテンシャル層には、定年まで同じ企業で働き、じっくり成長していくよりも、「市場価値」が上がるスキルを身に付けるために、若い間からどんどん仕事をして経験を積みたいと考えている人が非常に多い。よいか悪いかは別として考え方が変わってきたおかげで、スキルが身に付くことを打ち出せば、企業自体にネームバリューがなくても、第二新卒で優秀な人材を採用できるようになってきた。
ベンチャー企業でも、新卒では採れなかった優秀層を第二新卒で採用できるのだ。
注
[1]: コンサルティング業界には1000人以上の学生が門戸を叩いているため、上位大学であれば周りにコンサルタントの友人がいることも珍しくない。