moovyは、2026年に大学・大学院・専門学校を卒業する学生、および企業の新卒採用担当者を対象に、採用活動・就職活動におけるSNS活用に関するアンケート調査を実施した。
学生の約6割が企業SNSをチェック。Instagram、YouTube、Xが主要チャネル
就職活動中、企業のSNSを「チェックしたことがある」は63.0%に達した。SNSは学生にとって、当たり前の情報収集手段となっていることが分かる。
中でも、「Instagram」が40.4%、「YouTube」が36.1%、「X」が35.1%とこの3つが主要チャネルとなっており、企業側もこれらをSNS発信の基盤として設計すべきと考えられる。
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SNSの投稿内容、好印象の鍵は「リアルさ」
学生が特に好印象を抱いたSNS投稿内容は、「職場環境・オフィス紹介」が52.2%で最も多く、次いで「社員紹介(例:インタビュー、座談会)」が42.0%、「採用イベント告知」が39.9%と続いた。Z世代は「リアルな人や日常」に共感しやすい傾向があるという。
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SNS投稿が選考や内定承諾にも影響、認知から意思決定まで横断的に効果
企業のSNSを見た学生の中で、応募や選考、内定承諾などの行動に「つながった」と回答したのは68.7%に至った。また、SNSの影響を受けたタイミングは、「企業を知ったきっかけ」が55.1%、「応募検討」が49.3%と、採用プロセスの前半に多く生じている。
しかし、認知だけにとどまらず、「選考中」が27.5%、「内定承諾の意志決定」が22.5%と選考プロセス全体にも影響が及んでおり、SNSが学生の意思決定を幅広く支援していることが明らかになった。
一方、「行動にはつながらなかったが、印象に残ったものはある」と回答した層も9.5%存在し、コンテンツの質が成果の鍵を握ると考えられる。
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約6割の学生は、企業のSNSを見てネガティブな印象を持ったことも
ポジティブな効果がある一方で、63.7%の学生が「この会社は合わない」「印象が悪い」と感じたSNS投稿があったと回答した。理由として多かったのは「会社のことや仕事内容が伝わらなかった」が50.8%、「社員の雰囲気・文化が合わないと感じた」が34.4%。内容の薄さやイメージのブレが、SNS投稿の大きな落とし穴となっていると同社は述べる。
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「企業のSNS発信を重要と捉える層」ほど、発信内容への評価は厳しい
企業のSNS投稿に対して「ネガティブな印象を抱いたことがある」との回答について、SNS発信の重要性について「非常に重要」と考える学生層では84.2%、「まあまあ重要」と考える層でも67.3%に至っている。
この結果から、採用活動において重要な候補ともなりうる、「SNSを通じて深く企業を知ろうとする層」ほど、内容の薄さやトーンの不一致などに敏感に反応する可能性が高いことが分かった。
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企業側はYouTubeがSNS活用の主軸と回答、学生の利用SNSとは微妙なズレ
企業側では、SNS活用の主軸として「YouTube」が62.3%で最多となり、「Instagram」が51.8%、「X」が45.5%と続いた。学生の利用実態と大きな乖離はないように見えるが、学生の主な接点は「Instagram」にあるということから、情報設計の目的や運用スタイルによって「見せ方」と「見られ方」の間に微妙なズレが生まれていることがうかがえる。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査概要:採用活動・就職活動におけるSNS活用に関するアンケート調査
- 調査方法:インターネット調査(ジャストシステム「Fastask」利用)
- 調査期間:2025年6月30日〜7月6日
- 有効回答:2026卒学生(専門学校・大学・大学院)319名、企業の新卒採用担当者 347名
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