ペルソナとジャーニーマップを作ろう
Candidate Experienceが重要ということはわかったが、具体的にどんな採用プロセスに変えなくてはならないのか。山根氏が勧めるのは、自社がターゲットとする候補者のペルソナを決めることと、ジャーニーマップを作ることの2つである。
これら2つを作ることの意義は、現在展開している施策を候補者視点で俯瞰的に見られる点にある。例えば、「認知・興味」のフェーズであれば、多くの企業がすでに「採用ノベルティの充実」「学校訪問」「外部イベントへの登壇」など、様々な施策を展開しているであろう。だが、施策は万人向けではなく、自社が必要としている候補者の心を捕まえられるものにしなければならない。ペルソナとジャーニーマップからはそれを検証できるのだ。
ペルソナとは、獲得したい人材像をモデル化したものであり、できるだけ詳細に記述する。こうすることで、採用したい人材の心理と態度の変容を時系列に沿って整理したジャーニーマップを作ることができる。そのジャーニーマップは、採用戦略の指針になるものだが、作って終わりではなく、継続的にメンテナンスをすることも必要になる。
加えて、エンジニア採用において候補者の体験価値を向上させるには、人事が現場のエンジニアと協力体制を構築することが不可欠と山根氏は説く。エンジニアの気持ちがわかる現場の協力がなければ、候補者本位の体験を設計できないからだ。