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「IT人材ラボ Day 2019 Summer」セッションレポート | #3

ポイントはおもてなし?! なぜ“メスライオン”は欲しいと思うエンジニアを次々に採用できるのか――ネオキャリア 宇田川奈津紀氏

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 欲しいと思ったエンジニアは必ず採用する――そんな凄腕として名を馳せているのが、株式会社ネオキャリアで中途採用の責任者を務める宇田川奈津紀氏だ。“メスライオン”という同氏の愛称を聞いたことのある方も多いだろう。その宇田川氏が、8月27日に開催されたイベント「IT人材ラボ Day 2019 Summer」に登壇。エンジニア経験のない同氏が現場が必要とするエンジニアを次々に採用していくノウハウや考え方、姿勢などを余すところなく明かした。本稿では、そのセッションの模様をお伝えする。

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社内エンジニアとの信頼関係がベースになる

 今はとにかくエンジニア採用が難しくなっている。今年の8月8日にパーソルキャリアが発表したリポートによると、全体の求人倍率は2.48倍、業種をIT・通信に限ると7.24倍だった。求人倍数が上がれば上がるほど人材紹介会社の利益は増すが、事業会社の人事にとっては大変な事態になる。小規模でネームバリューで勝負できない企業では、いくら予算を投じても、エンジニアを採用できない状況が生じている。

 社長やCTOから「予算はあるのにどうして人が採れないのだ」とプレッシャーをかけられ、思わず人事を辞めたくなったことのある人も少なくないだろう。宇田川氏も、かつてはそんな経験をした1人だった。しかし、人事1人ではエンジニア採用は不可能だということを知り、社内のエンジニアをはじめ、周囲を巻き込んでいく中で、厳しい状況を脱することに成功した。そんな宇田川氏は、「プラス思考になってください。あなたの会社にエンジニアがいるのなら、エンジニアの採用は必ず成功します」と強調する。

宇田川 奈津紀氏
宇田川 奈津紀(うだがわ なつき)氏
株式会社ネオキャリア 経営企画本部 中途採用部 部長。
あだ名は“メスライオン” 。新卒で大手旅客サービスの乗務員として入社。その後、大手人材会社にて勤務。ヘッドハントにより大手介護会社へ移籍するも2年後に解散。広告業界で新規事業立上げを経て再び人材業界へ戻る。 IT人事としてダイレクトリクルーティングの確立や新卒・中途採用を統括。ネオキャリアでは、部長として採用戦略や設計、採用ブランディングを管轄し年間300を超える中途採用のディレクションを行っている。また、年間約1500名以上の経営者や人事が受講した人事向け採用セミナーの講師を勤める。

 そもそも、エンジニア採用に失敗する原因は、社内のエンジニアと信頼関係を構築できていないことにあると宇田川氏。次図にあるような点からエンジニアのことを理解し、彼らと信頼関係を構築するところから始める必要があるという。

エンジニアについて理解するべき点
エンジニアについて理解するべき点
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 まず、全社員に対するエンジニアの比率を押さえる。求職中のエンジニアは、社内にどのくらいのエンジニアがいるのかを知りたがるものだからだ。それから、誰が何を担当しているのかを把握する。

 エンジニアのプロフィールを知ることも人事の大切な役割の1つである。宇田川氏の周りには以前、人事は知らないけれども雑誌やWebメディアに記事を書いている、大学でセミナーを行っているといったエンジニアがいたことがあるという。そうしたインフルエンサーの存在は、求職中のエンジニアには魅力に映ることも多い。

 また、自社に著名なエンジニアがいたら、何経由で入社したのか――リファラル採用なのか、スカウト採用なのか、アルムナイ採用なのか――を調べる。彼らが自社に入社を決めた理由を知ることも重要だ。サービスに惹かれたのか、社長の人柄に惹かれたのか。宇田川氏はそのあたりもヒアリングしておくという。

 その上で、採用に関わってもらうエンジニアを決める。このとき、宇田川氏は「どのようなエンジニアが何名採用したいのか」「今回採用を行う理由は何か」などをエンジニアに語ってもらっている。その情報がないと求人票を起こせない上に、人材紹介会社に熱意を伝えることも不可能だからだ。逆に、ここで情報をしっかり取得しておけば、質の高いスカウトメールを人事でも書けるようになる。宇田川氏はさらに、「どのエンジニアがどれくらい残業しているのか。何名入社するとどれくらい残業が減るのか」といったところまでヒアリングしているという。

エンジニアと膝と膝をつき合わせて話をする
エンジニアと膝と膝をつき合わせて話をする
[画像クリックで拡大表示]

 ただし、語ってもらうときには対面であることが大事だと宇田川氏。チャットやメッセンジャーで行う人がいるが、エンジニアと信頼関係を築くためにも膝と膝をつき合わせて直接話すことが必要だと強調した。

 エンジニアとの関係構築ができたら、レバレジーズやGeeklyといった人材紹介会社へ一緒に出向くことをお願いする。エンジニアには、そこで「なぜ採用しなくてはいけないのか」「なぜその言語なのか」などを直接説明してもらうのだ。もちろん、サービスの魅力も語ってもらう。一方、人事は待遇面について話す。こうした役割分担ができるのは、エンジニアとの関係構築が成功している証だと宇田川さんは語る。それができていないと、「そんなことはお前の仕事だろ」の一言で終わってしまう。

 「エンジニアとの関係構築は簡単なようでいちばん難しい作業です。まずはここに時間を費やしてみてください」(宇田川氏)

 こうして構築したエンジニアとの信頼関係が、人事が行うエンジニア採用活動の基盤となる。

 なお、宇田川氏は求人票を書くとき、在籍するエンジニアのプロフィールまで書いているという。どんなエンジニアが社内にいるかは、他社との差別化点になるからだ。このプロフィールを書き入れた求人票と、GreenやWantedlyなどのデータベースで調べた適切と思われる候補者のリストとが用意できたら、エンジニアに見てもらう。スカウトメールを打つところまで人事がやると言えば、現場で多忙なエンジニアは大変助かるといって見てくれるだろう。

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この記事の著者

八鍬 悟志(ヤクワ サトシ)

都内の出版社に12年勤めたのちフリーランス・ライターへ。得意ジャンルは労働者の実像に迫るルポルタージュと国内外の紀行文。特にヒンドゥ教の修行僧であるサドゥを追いかけたルポルタージュと、八重山諸島を描いた紀行文には定評がある。20年かけて日本百名山の制覇を目指しているほか、国内外を走るサイクリストとし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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