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特別企画 | HR Techの普及《前編》

日本の大企業でHR Techが広まらない理由、米国でHR Techがどんどん先を行く理由とは

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 日本国内でも多数のHR Techプロダクトが登場した2019年。今年はそれらの普及がどう進むのだろうか。本記事では2回にわたり、国内外のHR Tech事情に詳しい株式会社オデッセイ 代表取締役社長 秋葉尊氏と慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 特任教授 岩本隆氏の両氏に、国内企業におけるHR Tech普及のための課題や条件、伸びていく領域などを語ってもらった。

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大企業でHR Tech導入が進まない理由とは

――まずは2019年のHR Tech市場を振り返っていただき、気になる点を挙げていただけますか。

秋葉尊氏(以下、秋葉):私の印象としては、HR Techという言葉がようやく日本でも認識され始めたという段階ではないかということですね。

 昨年、年商500億円以上もしくは従業員規模1000人以上の企業の人事担当者を対象とした「HR Techに関する市場調査」を実施したのですが、その結果によると、「HR Techを導入してみたいと思いますか」という問いに対して、「すでに導入しており、今後も新しいソリューションは積極的に採用したい」と回答した人は、わずか6.3%だったんですね。ただ、「まだ導入していないが、今後積極的に導入してみたい」「まだ導入していないが、今後いいものがあれば導入してみたい」を合わせると6割以上であることがわかりました。こうした現状を見ても、HR Techに対する潜在的な需要が芽生えたのが2019年だったのではないかと。

秋葉 尊氏
秋葉 尊(あきば たける)氏
株式会社オデッセイ 代表取締役社長。
大学卒業後、NECに入社。20年にわたり中堅企業や大企業に対するソリューション営業やマーケティングを担当。2003年5月にオデッセイ入社、代表取締役副社長に就任。2011年4月、代表取締役社長に就任。一般社団法人タレントエコシステム・コンソーシアム監事、HRテクノロジーコンソーシアム会員、を務める。

岩本隆氏(以下、岩本氏):これは大企業に対する調査結果ですよね。実は、大企業と中小・ベンチャー企業では、まったく様相が異なります。1000人以下の中小・ベンチャー企業では、HR Techの利用がかなり広がっているんですよ。

 大企業でもデジタルHR人材の育成に向けた研修が各所で行われていて、そこには非常に多くの人が集まってきます。“データを活用した人事に転換していかなければならない”という認識は、経営トップも含めて多くの人たちが理解しているものの、大企業特有の阻害要因がいくつかあるんです。

岩本 隆氏
岩本 隆(いわもと たかし)氏
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 特任教授。
東京大学工学部金属工学科卒業。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。日本モトローラ(株)、日本ルーセント・テクノロジー(株)、ノキア・ジャパン(株)、(株)ドリームインキュベータを経て、2012年6月より現職。

 1つには、レガシーなシステムがすでに入っていて、統合するためのハードルが非常に高い点が挙げられます。逆に、中小・ベンチャー企業では、もともと人事のシステムが入っていないので、クラウドのSaaS系ツールの導入に対するハードルがない。IT導入補助金も活用できますしね。

 2つには、大企業になると総務・人事・経理を専門とする子会社を持っているところが多く、テクノロジーの導入によって、多くの人をリストラしなければならない点です。テクノロジーを導入する効果は大きいと分かってはいても、総務・人事・経理の人たちの仕事のシフト先を考えるのに時間がかかっているんですね。

 3つには、労働組合との折衝で難航する点です。HR Techを導入してデータドリブンな人事になると、年功序列や終身雇用を見直すことにつながりますからね。労働組合が強く、データ活用に非協力的な企業では、なかなか前に進めるのが難しい。

 4つには、経営幹部も含めたシニア層の抵抗が挙げられます。HR Techでデータをもとに評価するようになると、給与水準がスキルと見合っていないことが明らかになって、損する人が多く出てくるんです。評価以外の人材育成や人材配置や異動といったところでも、HR Techで最適化を図ろうとすると、これまで自分がやってきたことが否定されるようで受け入れがたい。

秋葉:これから労働人口が急速に減っていくので、早く手を打たないと淘汰されてしまうんですけどね。茹でガエルにならないといいなと危惧しています。

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この記事の著者

市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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