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年末調整の電子化は人事を救うか? 事前に乗り越えるべき3つの壁

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2021/01/04 08:00

 昨年10月から年末調整手続きの電子化が解禁となり、マイナポータル連携や国税庁による年調ソフトの登場なども話題になっています。浸透すれば人事担当者の業務工数を大幅に削減できる可能性を秘めた年調電子化ですが、どのように進めていけばよいのでしょうか。本記事では、今回の電子化の基本情報をはじめ、導入に向けた手順や多くの人事部が抱えている課題について解説します。

今回の「電子化」で変わること

 一口に「電子化」といっても、実はこれまでにも年末調整業務の一部はすでに電子化が進んでいました。例えば、年末調整の電子申請システムはすでに多くの企業で導入されています。一方で、昨年までアナログでしか行えなかったのが、従業員が保険会社などから郵送で受け取っていた証明書類関連の下記2点です。

2020年10月より新たに「電子化」できるようになったもの

  • 保険料控除証明書
  • 住宅借入金等特別控除証明書及び年末残高証明書

※2020年度の導入は義務化ではありません

 従業員の一人ひとりがハガキや封書で受け取った上記の証明書類は、年末調整の申請書類に内容を直接記入(申請システムの場合は直接入力)した上で、原本の提出が必要です。受け取った人事担当者も、添付された原本と申請書の内容が一致するかチェックしなければなりません。申請書類が紙の場合は、さらに年末調整システムへの情報登録も別途必要となり、従業員数が多い企業ほど膨大な量の作業を生んでいました。

 申請内容のチェックからデータ登録の工程は、従業員1人分実施するだけでも10分はかかります。仮に、大企業などで1000人分実施すれば、単純計算でも160時間以上。多くの企業では、とても担当者だけで対応できず、アウトソーシングしたり、普段は給与に関係しない人事部員総出で作業を実施したりしています。

 また、紙で添付された申告書は7年間の保管が義務付けられているため、倉庫内に申告書の入った段ボールが山のように積み上がり、スペースや処分の問題も発生していました。

 このように、年末調整の電子申請は多くの企業で導入されてきましたが、紙で入手するしかなかった証明書類関連の業務は依然としてアナログな業務負担として残っていたのです。

 この「証明書類」各種をデジタルデータで入手できるようになったというのが、今回の「電子化」の意味するところです。

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著者プロフィール

  • 伊藤 裕之(イトウ ヒロユキ)

    株式会社Works Human Intelligence カスタマーサクセス事業本部 シニアマネージャー。2002年にワークスアプリケーションズ入社後、九州エリアのコンサルタントとして人事システム導入と保守を担当。その後、関西エリアのユーザー担当責任者として複数の大手企業でBPRを実施。現在は、17年に渡り大手企業の人事業務設計・運用に携わった経験と、1100社を超えるユーザーから得られた事例・ノウハウを分析し、人事トピックに関する情報を発信している。

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