2020年2月の転職求人倍率は、前月比0.08ポイント減の2.52倍で、求人数は前月比97.7%、前年同月比101.5%、転職希望者数は前月比100.6%、前年同月比104.0%だった。2月は転職求人倍率、転職求人数、転職希望者数いずれも微減。
業種別での「IT・通信」の求人数は前月比96.5%、職種別での「技術系(IT・通信)」の求人数は前月比95.6%とやや減少。前年同月比では、業種別「IT・通信」の求人数が100.9%、職種別「技術系(IT・通信)」の求人数が100.1%とほぼ同数だった。
なお、業種別「IT・通信」の転職求人倍率は6.80倍(前月比0.55ポイント減)、職種別「技術系(IT・通信)」の転職求人倍率は8.69倍(前月比1.08ポイント減)と2か月連続のダウンとなった。
今回の調査結果について、doda編集長の大浦征也氏は次のように分析している。
「2月は、例年4月以降に採用を予定しているポジションの募集が始まるため、求人数が増加する傾向にありますが、今年は求人数が減少しました。要因としては、経済状況や新型肺炎による事業への影響が読みづらく、4月以降の採用計画の策定を2月までに行わなかった企業が多かったことが推測されます。一方、1月に続き新年度に向け転職活動を始めた人が多く、転職希望者数は増加したため、求人倍率は下降しました。
新型肺炎の感染拡大を受け、対面での面接を控える企業や採用を一時中断する企業などもあり、4月頃までは転職市場に影響があると予想されます。しかし、2020年度も事業発展に向け中途採用に力を入れる方針の企業は多く、状況が落ち着けば、転職市場は回復する見通しです。また、WEB会議システムやタスク管理ツールなどテレワークに関連するサービスを提供する企業の事業拡大や、事業継続計画の観点から災害のリスクに備え、オフィスや工場、物流拠点の分散を図る動きも起こると考えられ、新たな求人が増えることも想定されます。」(大浦氏)