2020年4月の転職求人倍率は、前月比0.04ポイント増の2.58倍で、求人数は前月比89.5%、前年同月比90.5%、転職希望者数は前月比88.1%、前年同月比93.6%だった。3月までは現れていなかった新型コロナウィルスの感染拡大の影響が4月に顕著に現れ、求人も転職希望者も大幅に減少した。
業種別は全業種で求人数が減少。その中でも求人の減少率が最も低かったのは「IT・通信」で前月比93.8%(前年同月比88.5%)。職種別でも全職種で求人数が減少する中、「技術系(IT・通信)」は減少率が最も低く前月比94.6%(前年同月比91.9%)だった。
なお、業種別「IT・通信」の転職求人倍率は7.85倍(前月比0.81ポイント増)、職種別「技術系(IT・通信)」の転職求人倍率は10.71倍(前月比1.30ポイント増)と、転職求人倍率で昨年12月以来の10倍超えとなった。
今回の調査結果について、doda編集長の大浦征也氏は次のように分析している。
「4月は、新型肺炎の感染拡大や緊急事態宣言発出の影響を受け、転職希望者数・求人数ともに減少しました。転職希望者数の減少幅が求人数のそれを上回ったため、求人倍率は上昇しました。転職希望者は、7割以上が在職中に転職活動を行うため、活動開始の延期や活動自体を中止した人が多く、減少したことが予想されます。また、求人数は採用活動の縮小や一時中断により減少しました。一方で、Web面接への切り替えや在宅勤務の制度が整っていることを強みに、積極的に採用活動を実施する企業もあり、企業によって採用方針が大きく分かれました。
5月末まで緊急事態宣言が延長されたことにより、引き続き採用活動の縮小や一時中断、選考にかかる期間の長期化が予想されます。しかし、Web面接に切り替えて採用活動を継続・再開している企業や、採用活動を一時中断している企業の中にも6月以降を見据えて採用活動再開の準備をするところが出てきています」(大浦氏)