リクルートキャリアは、全国の20~60代の会社員948名に新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケートを実施し、結果を発表した。調査期間は2020年8月7日~10日。
今回の緊急事態宣言下でテレワークを経験した人は全体では48.0%で、半数に満たない状況だった。しかし、生産年齢人口の多い東京では71.1%、神奈川は63.8%、大阪は64.8%と、全体と比較して15ポイント以上経験者の割合が高い結果となった。一方、その他の44道府県では38.5%に留まった。最も経験者の割合が高い東京とは、32.6ポイントの差となっている。
年代別に見ると60代のテレワーク経験の割合が高く、感染症対策としてのテレワーク実施の背景が色濃く見てとれる。それにより、地域の感染拡大状況の違いによってテレワーク経験に差が出たものと考えられる。
緊急事態宣言を機に「自己の判断で自由にテレワークできるようになった」人は、66.1%が「非常に良かった」「良かった」と回答。一方で、「会社の基準で出勤割合が決まった」「通常出勤に戻った」人は、30%近くが 「良くなかった」「まったく良くなかった」と回答した。フリーコメントの中には「テレワークの機材はすべて自己負担だった」など、感染症対策として緊急にテレワークを導入したため、テレワークに対するネガティブな考えも見られた。
転職検討者の志向の変化として、仕事を選ぶ際に重視することで変化が大きい上位3位は、「給料」「テレワーク」「副業」。調査時点で「転職検討中/活動中」の人のうち、新型コロナウイルス禍の影響で自身の将来のキャリアについて見つめ直したと回答したのは58.8%、「転職は検討していない」人では17.3%と、両者には41.5ポイントの差があった。しかし、「新型コロナウイルス禍の影響ではないが、考えた」という人も含めると、「転職は検討していない」人でも35.3%が自身のキャリアについて見つめ直していることが分かった。
また、「転職検討中/活動中」の人のうち、新型コロナウイルス禍の影響で自身の将来のキャリアについて見つめ直した人の、仕事選びで重視する項目の変化が大きい上位3位は、「給料が高い」「テレワークが認められている」「副業が認められている」だった。
地域で働きながら、働きたい企業等(都内)で働ける選択肢があった場合、働き方を変えたいという意向がある人は71.7%に上った。「転職が伴う場合」でも59.0%が働き方を変えたいと回答。さらに、47.1%が「転職が伴う場合」のみにおいて、働き方を変えたい意向があるという結果になった。また、12.7%は「転職が伴わない場合」のみにおいて意向があることが分かった。
意向がある人のうち、生産年齢人口が上位3位の東京・神奈川・大阪の3都府県在住者を見てみると、今回の緊急事態宣言下でテレワークを経験したのは72.9%、調査時点でテレワーク継続中の人は53.8%だった。