ワーク・ライフバランスは、発起人計19人とともに、「霞が関の働き方改革に関する提言」の署名活動を開始する。同署名活動は、コロナ禍により今まで世界から大きな遅れをとっていた省庁のデジタル化がついに着手され始めた今、 国民の声を署名として集め、日本の残業の震源地ともいえる霞が関・永田町の働き方改革の加速を求めていくことを目的としている。署名は11月下旬、河野太郎行政改革担当大臣と各省庁の大臣に届けられる。
民間企業では労基法の改正により、労働時間の上限を守るアクションを始め、コロナ禍によってテレワークなどの新しい仕事様式を取り入れて進化している。学校でも、オンライン化を進めるなど、新たなチャレンジが行われている。
その一方で、政府・省庁は2020年6月~7月に実施された「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」によると、議員対応がある官僚のうち83%が電話やオンラインに移行せず対面での打ち合わせを求められたため、テレワークができていない。また、4割が100時間を超える残業であり、300時間を超えている官僚もいた。さらに、86%が「議員とのやり取りはFAXだった」と回答している。
国家公務員の労働時間は、労働基準法で守られておらず、過労自殺やメンタル疾患が毎年発生し、若手官僚の7人に1人が離職を考えている状況だ。こうした政府・省庁の長時間労働は、国民の生活に大きな負の影響を与えている。具体的には、残業による深夜のタクシー代などの「税金の無駄遣い」や、対面での会議や紙ベースでの作業による「国全体のデジタル政策の遅れ」、省庁からの深夜、あるいは短納期のメールによる「民間企業の残業の原因」などが挙げられる。
22時以降は誰も省庁に残っておらず、説明に呼ぶにはWeb会議をするしかない、となればアナログな政治家もついにデジタル化せざるを得なくなる。こういった状況下で初めて政策にITが適切に活用されることになる。そのためには、国民が選挙でデジタル対応に前向きな議員をしっかり見極めて投票していくことも重要となってくる。同社では、今後デジタル対応している議員のみをリストアップした「デジタル実践議員宣言」についてもリリースを予定している。
【発起人一覧(五十音順 19人)】
- 青野慶久 サイボウズ株式会社 代表取締役社長
- 朝比奈一郎 青山社中株式会社 代表・CEO
- 安藤哲也 NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事
- 榎森耕助(せやろがいおじさん)オリジン・コーポレーション所属 お笑い芸人・YouTuber
- 大室正志 大室産業医事務所 代表
- 川邊健太郎 ヤフー株式会社 代表取締役社長
- 小室淑恵 株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長
- 沢渡あまね 作家・業務改善士
- 塩崎彰久 長島・大野・常松法律事務所 パートナー弁護士
- 島津明人 慶應義塾大学総合政策学部 教授
- 白河桃子 少子化ジャーナリスト 相模女子大学大学院特任教授 昭和女子大学客員教授
- 田澤由利 株式会社テレワークマネジメント 代表取締役
- 田中邦裕 さくらインターネット株式会社 代表取締役社長
- 長野智子 キャスター、ハフポスト日本版編集主幹
- 中室牧子 慶応義塾大学 総合政策学部教授
- 夏野剛 株式会社ドワンゴ代表取締役社長
- 坂東眞理子 昭和女子大学 理事長・総長
- 室橋祐貴 日本若者協議会代表理事
- 山口一男 シカゴ大学 社会学 教授
【宛先】
- 河野太郎 行政改革担当大臣
- 麻生太郎 財務大臣
- 武田良太 総務大臣
- 上川陽子 法務大臣
- 茂木敏充 外務大臣
- 萩生田光一 文部科学大臣
- 田村憲久 厚生労働大臣
- 野上浩太郎 農林水産大臣
- 梶山弘志 経済産業大臣
- 赤羽一嘉 国土交通大臣
- 小泉進次郎 環境大臣
- 岸信夫 防衛大臣
- 平沢勝栄 復興大臣