カオナビHRテクノロジー総研は、リモートワークについての実態調査を実施した。調査対象は、勤務時間の半分以上でリモートワークを行っている20代~60代の300名。調査期間は2020年8月21日~8月24日。
リモートワーク中心の働き方をしている組織に所属する回答者にリモートワーク継続方針について聞いたところ、「出社とリモートワークが併存」が最多の56.7%となった。また、「出社とリモートワークが併存(56.7%)」「フルリモートワークに移行(11.0%)」「すでにフルリモートワーク(3.7%)」の合計が71.4%となり、一部でもリモートワークを継続予定が7割を超えた。現状リモートワークをしている組織の多くでは、リモートワーク継続の意思があることがうかがえる。その一方で、「出社に戻る」と回答しているのは13.3%。日本の働く人の多数派は「出社」だが、局地的にはリモートワークが進展する兆しが見えている。
「どのような勤務形態が望ましいか」については、「出社とリモートワークが選択可能」が最多の50.0%となった。希望する理由については、「業務内容によっては出社が必要、もしくは効率がよいため」という回答が多数見られた。次いで、「全員がリモートワークとなり許可制で出社」が30.0%。制度としてリモートワークと出社の選択が可能となっても、実態は出社が多数派になるため、「原則リモートワークで、許可制で出社を望む」、という人もいるようだ。 一方で、「全員が原則出社(3.7%)」と「全員が出社し許可制でリモートワーク(8.7%)」と回答した割合を合計すると12.4%となり、少数派ではあるが、1割強の人は「出社中心」の働き方を望んでいる。理由としては「対面でのコミュニケーションが重要」といった主旨の回答が目立った。
リモートワーカーが「社内の対面コミュニケーションの減少」について、どのように評価しているのかについては、97.3%がリモートワークによって「社内の対面コミュニケーションが減少した」と認識している。また、「社内の対面コミュニケーションが減少したことで、うまくできずに困っていることはありますか」という質問に対し、75.3%が「困ったことがある」と回答した。
「社内の対面コミュニケーションが減少したことで、うまくできずに困っていること」についての上位2回答は、「何気ない会話でリラックスをすること(29.8%)」「他部署や他チームの動向や、周りの人の仕事の状況を自分が知ること(27.4%)」となっている。また、回答結果は「部下の有無」で差が開いている。しかしながら、全体の上位2回答が、上司側でも部下側でもトップ3に挙がっている。この2回答は、立場の違いに関係なく、共通した困りごとだということが分かる。
リモートワークでの困りごとについて、上司に「ご自身もしくは組織として、どのようなマネジメント上の工夫をしているか、あるいは工夫する予定か」を聞いたところ、上位には「テキストコミュニケーションの活性化(29.4%)」「チームでの公式の会話のコミュニケーションの機会(24.5%)」といった、コミュニケーション施策が挙がった。また、上司と部下、双方に「リモートワーク環境下で、行ってほしいマネジメント上の工夫」を聞くと、「特になし(31.3%)」が最多となり、「働き方の多様化を推進する制度の見直し(24.0%)」「ワークフローの可視化と共有やフロー構築(21.0%)」が続いた。一方で、「コミュニケーション施策群」は希望する項目では上位に挙げられていない。
「実施済もしくは実施予定の工夫」で上位ではなかった「人材情報の可視化と共有」が20.0%と、相対的に上位に挙げられている。リモートワーク下で意識的にコミュニケーションをするのは難しいことがうかがえる結果となった。
調査結果詳細URL: https://ri.kaonavi.jp/20201022/