HRzine

注目の特集・連載

エンジニアレジュメの読み解きに開眼?! 近寄りがたいエンジニア責任者との距離も一気に縮まった!

  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2021/01/26 08:00

 IT/Web人材に特化した求人サイト“Find Job!”(現FINDJOB!)への求人掲載を完了させて応募者を待つ私。念願の初エントリーがあったものの、喜ぶ間もなく、エンジニアのレジュメが読めないという事実に直面しました。そこで、エンジニアの熊田さん(仮名)に「エンジニアの先生になってください!」という無謀なお願いをし、タッグを組んでエンジニア採用を行っていくことになりましたが……。

エンジニアレジュメに関してのエピソードは前回をお読みください。

 昨日、エンジニアの熊田さんから教えていただいたことをいち早く確認したくて、翌日は始発で会社に向かいました。会社に向かう電車の中では、念仏のようにこんなことをつぶやいていました。

 「会社に着いたらFind Job! の管理画面を開いて、エントリーしてきてくれたエンジニアさんのレジュメを開いて、現在勤務している会社名を検索して業界を調べて、何を開発してきたのかを確認する。それができたら熊田さんのところに持って行って見てもらって……大丈夫、大丈夫。熊田さんが出社してくるまで後4時間はあるからきっとできる!」

 エントリーしてきてくれたエンジニアさんが、どうかWeb系のエンジニアでアジャイル開発を経験していて……そしてウチと同じ広告の配信サービスを作っているエンジニアさんでありますように! と祈りながら渋谷駅から会社まで猛ダッシュしました。

 夜が明けたばかりの薄暗いオフィスに到着すると、照明をつけるのも忘れて自分のデスクに向かい、PCを開いて、Find Job! からエントリーしてきてくれたエンジニアさんのレジュメを隅々まで見ていきました。

 「年齢は28歳で、出身大学は……わっ、わっW大の理工! おぉ~! ちょっと待って、多分……神山さん(仮名)と同じ大学じゃなかったかな?」

 私は従業員台帳から履歴書を引っ張り出して調べてみると、思ったとおり、エンジニア責任者である神山さんと同じ大学出身でした。次に現在就業中の会社を確認し、インターネットで検索してみました。

 「XXX株式会社!うゎ~ウチよりも大きいIT企業だ! Web系のエンジニアさんであることは間違いない! インターネット広告事業もやっているから……このエンジニアさんのレジュメのどこかに“広告”について書いてないかな?」

 レジュメに目を移し“広告”というワードを探したが見当たらない。もしかしたら広告系のエンジニアさんではないのかもしれない……。一瞬不安がよぎりましたが、あきらめずにレジュメに書いてあるプログラミング言語を全部検索してみようと思い直し、検索を続けました。

 「PHPでの開発経験は5年以上あるからこの言語は問題ないよな。それ以外のプログラミング言語を調べて……」

 “Hadoop”というワードを調べると、“広告のアクセスログ解析に使用される”という説明を見つけました。なるほどと思ったのと同時に、私の頭にあることがよぎりました。

 「んっ? この“Hadoop”というワードどっかで見た気がする。どこで見たんだっけ……そうだ!」

 “Hadoop”とタイトルにある本が熊田さんのデスクにあったのを思い出しました。熊田さんのデスクを見ると、やはりあります。そこであることに気づきました。

 「そっか! エンジニアさんのレジュメをいくら見たって、知識の少ない私に理解できるはずがない。でも、熊田さんの職務経歴書と照らし合わせたらどうだろう。熊田さんと似たような経歴だったら、きっと書類選考は通過するはず!」

 自分のデスクまで走って戻り、再び従業員台帳から熊田さんの職務経歴書を引っ張り出して、エントリーしてきてくれたエンジニアさんのレジュメと照らし合わせてみました。

 「何がどうなんて説明しろって言われたら全然説明できないけど……なんかちょっと見えてきた! このエンジニアさんが開発で使っているプログラミング言語はほとんど熊田さんと一緒だ! だから、熊田さんの目からも、きっと通過するエンジニアさんだ!」

 うゎ~やったー! と大声を上げながらそのレジュメを熊田さんに渡す準備をしていると、突然オフィスの明かりがつきました。誰か来たのかな? と思い、そっと明かりがついたほうへ向かうと、エンジニア責任者の神山さんがデスクに座っていました。

 朝の8時に神山さんが出社していることに私は驚きました。

 「神山さん、エンジニア責任者なのに始業時間の2時間前から出社しているんだ。責任者の人って始業時間ギリギリに来るものだと思っていたけど……神山さんは違う」

 大事なサービスを支えるエンジニア責任者の神山さんの姿勢に感動しながら、ダメダメな私はもっと努力しなくちゃいけないなと感じました。

 自分のデスクに戻って仕事をしていると、私の中で悪魔と天使が囁(ささや)きました。

 「ちょっと待って! 今、神山さんと話せるチャンスじゃない?――でも、どうやって話し掛けたらいい? こんな朝っぱらから話し掛けに行ってスルーされたら立ち直れない……もしかしたら、神山さんはエンジニアさんの手が足りなくて朝早く出社されたのかもしれない!」

 でも、目の前に印刷したエンジニアさんのレジュメを見つめながら、こう思いました。

 「よしっ!大丈夫だ。エンジニア採用は、神山さんの中でも最重要案件なはずだから……今話し掛けてもきっと聞いてくれる。スルーされたとしても誰もいないし恥ずかしくない。完全アウェイでも突っ込め! 私」

 大きく深呼吸をして、レジュメを持ち、神山さんが座っているデスクに向かいました。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。



  • ブックマーク
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 宇田川 奈津紀(ウダガワ ナツキ)

    一撃必殺のスカウト能力を持つことから人事界隈や人材界隈で“メスライオン”と呼ばれる。人事責任者としてスタートアップから4000名近い企業までを経験。IT、広告、人材業界と幅広い業界に携わり多種多様な職種採用を統括し、人事部長としてダイレクトリクルーティングをはじめとする採用戦略設計と構築、採用ブランディングを管轄。
    人事コンサルティング会社にて取締役兼CMOを経験後、人事コンサルティング会社「株式会社Cuore」を創業。IT企業を中心に新卒・中途採用の採用戦略や採用ブランディングのコンサルを行う傍ら、人材企業にてダイレクトリクルーティングサービスのプロダクトアドバイスを行う。また、大手企業での営業向けセミナーや、年間約1500名以上の経営者・人事が受講した人事向けセミナーの講師を務める。

  • はしもとあやね(ハシモト アヤネ)

    イラストレーター・漫画家。「わかりやすく・おもしろく」をモットーにコミカルなデフォルメタッチイラストを描き、挿絵・コミックエッセイ・ロゴマークデザイン等を中心に幅広く活動中。

バックナンバー

連載:メスライオン奮闘記
HRzine
2021/01/26 08:00 /article/detail/2832
All contents copyright © 2020-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0