大切なのは蓄積した情報を人的資本経営の実現に向けてアウトプットしていくこと
従業員を価値ある資本として捉え、その潜在能力を最大限に引き出す人的資本経営。その実行は、中長期的な企業価値の向上を実現すると考えられている。しかし、具体的なアプローチはこれからというのが実態だ。AIやビッグデータを活用して、いかに従業員のパフォーマンスやキャリア開発を最適化するかも大きなテーマとなっている。
そうした中、プラスアルファ・コンサルティングは、同社が培ってきたビッグデータの見える化・活用のノウハウを活かしたタレントマネジメントシステム「タレントパレット」を提供。人事戦略にマーケティング視点を取り入れた科学的人事を推進している。
登壇した同社の望月氏によれば、現状多くの企業で人事管理の仕組み化はできているという。しかし、人的資本経営に向けては管理をして終わりではなく、管理を通じて得た人材データを戦略的に活用していかなければならない。具体的には、データを用いた最適な配置や抜擢、社員のキャリア形成、採用、離職防止などの実践である。いずれをおいても属人的なマネジメントではなく、データというエビデンスを用いて、その精度を高めていく必要がある。
ただ人事の領域では長らく、それが実現できていなかった。その理由について望月氏は、採用や育成、評価など各オペレーションを効率化するためのシステムが分断・部分最適化されているからだと指摘。同社のタレントパレットはこの問題を解消するべく、「すべての情報を社員IDで統合し、あらゆるデータを一元的に管理・活用できる基盤」というコンセプトを具現化している。

望月 一矢(もちづき かずや)氏
株式会社プラスアルファ・コンサルティング タレントパレット事業部 副事業部長
2018年に株式会社プラスアルファ・コンサルティングに入社し、マーケティング領域の「見える化エンジン」にて「顧客の声」を分析し、様々な企業のCS向上を支援。現在は人事領域の「タレントパレット」において副事業部長として、HR業界初のマーケティング視点を取り入れた科学的人事戦略を推進中。現在は大手エンタープライズ企業に向けて、タレントマネジメントの新しい可能性を探求し、組織の成長と成功に貢献することに情熱を注ぐ。
なお、タレントパレットの導入法人数は4300社超(契約社数1922社、2025年3月末時点)。しかも、その4割が大手・エンタープライズ企業だという。なぜ、タレントパレットは大手・エンタープライズ企業に選ばれるのか。望月氏が挙げた1つの理由が、「タレントマネジメントを1つのシステムで実現できる網羅性・拡張性」だ。たとえば、人事業務の効率化という観点では、データを蓄積し動かしやすい仕組みとなっている。
ただし注意したいのは、タレントマネジメントシステムは人事業務を楽にするためのものではないという点だ。
「大切なのは、蓄積した情報を人的資本経営の実現に向けてアウトプットしていくことです。誰をどの部署、どのポジションに抜擢すると組織のパフォーマンスが最も上がるのかといったことを考えていかないといけません。しかも、昨今ではここに生成AIの技術を取り入れようという動きが加速しています。それによって、よりデータを扱える人が増え、組織の意思決定の精度を高めていけます。我々は最適配置、人材育成、採用強化、健康経営などさまざまな目的を実現するオールインワンシステムのタレントパレットを通じて、これらの支援・実現を行っています」(望月氏)
