POLは、理系人材の採用に携わる人事担当者に採用活動に関するアンケート調査を実施し、結果を発表した。同調査はトヨタ自動車が昨年11月、人材の多様化を目的に技術系新卒採用での学校推薦廃止を発表したことを受け、各社の推薦制度の実態を調査すべく実施した。調査期間は2021年1月20日〜1月27日で、有効回答数は99名。
推薦制度の利用状況に関しては、59.6%が「利用していない」と回答した。理系人材の採用において、約6割がすでに推薦制度を利用していないことが分かった。
推薦経由の応募人数の変化に関しては、40.0%が「減少している」と回答。学生の推薦離れが見られる結果となった。
推薦経由の応募学生の質に関しては、35.0%が「低下している」と回答した。具体的な質の低さを聞いた内容には、「積極性に欠ける」「研究への理解不足」「志望度が低い」などの声が挙がった。
また、より具体的な状況を知るため、推薦制度を導入する人事担当者に状況を聞いたところ、次のような声が挙がったという。
- 大手メーカーA社人事担当者
- 「推薦経由で採用する学生の人数は3年ほど前から減少している。その頃から学校推薦の応募学生の質の低下も気になるようになってきた。具体的には、面接における質疑応答で、弊社に対する調査不足に伴う志望度の低さや将来業務に対する不明確さを感じたり、技術レベルや適性検査の低さも見られる。今後推薦経由で採用する学生の人数の変更は予定していないものの推薦経由での採用における課題感は大きい」
- 大手メーカーB社人事担当者
- 「推薦の見直しをしていかなければと思っている。先日、同じ業界の人事が集まる場で早速話題に上がった。現状、自社は推薦比率が高いが、多様性のある組織を目指すのにはチグハグな状態だと思っており、今後人数を見直していきたいと考えている」