中途採用の現状と課題
新型コロナウイルスの流行が開始してから、1年が経過しました。どの企業にとっても、この1年が非常に厳しいものであったことはいうまでもありません。中途採用市場も例外ではなく、昨年前半は中途採用の保留・凍結などが起こり、一時求人数は8割程度まで減少しました。
しかし、昨年秋以降から徐々に回復し始め、今年に入ってからはすでにコロナ前と同水準まで回復しています。経済が元に戻ったとはいえませんが、企業はウィズコロナを受け入れ、現在の環境下で生き残るための戦略を立てて前進しています。採用活動が再開されたのも、このまま事態が解決するまで止めて置くわけにはいかないという状況においての判断といえます。現在出ている求人には、昨年の採用凍結で採用しそびれた人材の採用なども含まれますが、今後の採用増加も見込まれており、今年はまた中途採用市場が活発化するでしょう。
さまざまな社会的背景や、労働者の働き方の多様化など、人事・採用担当者が考えなければいけない問題は後を断ちません。その中で、外資系企業・グローバル企業の人事・採用担当者の中途採用における課題として最も多かったのが「応募者のマッチ度」でした。
これらの問題が起きる理由は多数考えられます。企業の求人が適切な候補者に届いていない可能性、企業が求める要件が高く転職市場にいない可能性、募集要項にかかわらずキャリアアップ・スキルアップを狙う候補者が応募する可能性、人材紹介会社からの推薦者の精度が低い可能性などもこれに該当するでしょう。これらを解決するために、人事・採用担当者ができることは何でしょうか。その答えの一つであり、採用活動を行う上で最も重要なのが「採用目的の明確化」です。