サイボウズおよび船井総合研究所は、DX(デジタルトランスフォーメーション)人材を育成する研修プログラム「3ヶ月集中デジタル人財育成研修『デジタル右腕』」を共同開発し、7月より開始する。同研修プログラムを通じて、中小企業における自社の経営課題を発見し、自社課題に適合するITツール導入ができる人財育成を促進する。
サイボウズは、ローコード・ノーコード開発ができる同社の「kintone(キントーン)」を通して、多くの企業の業務改善を支援してきた。しかし、ITツールを活用して効果を出すためには、ツールの活用方法だけではなく、自社の経営課題を発見し、自社に適合したITツールの効果的な活用を考える力が必要となる。しかし、このようなノウハウを体系的に学習できる機会が少ないことが、DX化が進まない大きな原因の一つである点に着目した。
一方、船井総合研究所は、業種業界別の課題に応じた即効性の高いコンサルティングスタイルが高い評価を得ており、年間5400社を超えるクライアントへコンサルティングサービスを提供している。その中で、ITツール導入において高い成果を出すためには、企業の中で主導権を握り、DX推進を実行できる専任者を設置することが必要となってくる。しかしながら、多くの企業においてDX推進が可能なリーダー格の人材不足は、エンジニアやプログラムを担う人材確保よりも緊急の課題になっている。
今回、両社の強みを合わせることで、経営課題発見のための手法、経営課題に対する解決策としてのツール導入プロセスの設計方法、具体的なITツールの使い方や活用に必要となる一連のスキルを体系的に学習できると考え、共同開発を行う運びとなったという。
同プログラムでは、3か月間にわたり3つのカテゴリにおいての講座とワークショップを行う。受講者は、各カテゴリーにおいて学んだ内容を自社の課題に当てはめ、システムの活用に落とし込んだ最終課題を発表する。研修受講料は30万円(税別)で、受講期間は3か月。両社が持つさまざまな業種業界の多くの実績をベースに、経営視点とデジタルツールの両方の知識を学習し、自社の状況を理解した上でのゴールと明確なビジョンを構想し、DX推進者として組織をけん引する力を身に付けることを目的としている。