ロバート・ウォルターズ・ジャパンは、国内173社が回答した「コロナ収束後を見据えた勤務制度&職場準備」についてのアンケート調査結果を発表した。5月から段階的にワクチン接種が進むにつれて、コロナ収束後の出社(働き方)への期待と不安が高まる中、企業側の対応について調査した。調査期間は2021年5月12日~26日。
今回のアンケート調査に回答を寄せた国内173社(外資系・日系グローバル企業)のうち、86%は「コロナ後も在宅勤務制度を継続する」と回答した。利用の上限設定は、週3~4日(42%で最多)、毎日(28%)などで調整を進めていることが分かった。実際に在宅勤務がどの程度利用されるかの見通しについては、「5~7割程度の社員が利用する」(33%)が最も多かったほか、「ほぼ全社員が利用する」と予想する企業も29%に上った。
今後は出社・在宅を組み合わせた「ハイブリット型」勤務が主流となることが見込まれる中、コロナ収束後に投資を強化するものでは、Wi-FiやクラウドツールなどのITインフラ(42%)、一般社員トレーニング/スキルアップなどが挙がった。3割の企業では、ハイブリット型のチームで生産性を維持するための管理職向けトレーニングへの投資を予定していることがうかがえる結果となった。
また、今回の調査に回答を寄せた173社のうち、34%がオフィスの縮小・改装を予定していることも分かった。具体的な内容では、社員一人ひとりに自席を与えない「フリーアドレスにする」(61%)、「個人用デスクを減らし、共用スペース・ミーティングスペースを増設する」(59%)、「オフィスの総面積を減らす」(55%)といった計画・着工が進んでいることが分かった。
今回の調査結果を受けて、同社代表取締役社長のジェレミー・サンプソン氏は次のようにコメントしている。
「コロナ禍では電子署名・オンラインミーティングが普及するなど、デジタル化・効率化が加速したおかげで殆どの仕事がリモートでも行えるようになった。しかし、在宅勤務には、同僚とのコミュニケーションの難しさ、孤立しやすさ、インスピレーション共有の乏しさといった課題が残る。また、通勤に充てていた時間が有効活用できるなど、ワークライフバランス向上も多くの企業で実感されている。コロナ収束後に向けて、こうしたメリット・デメリットをもとに出社の目的が改めて見直され、コラボレーションの推進と帰属感の向上に重点を置く職場づくりが急速に進むだろう」(サンプソン氏)