IT・Web・ゲーム業界専門の転職エージェントであるギークリーは、5月にギークリーを利用した企業と転職希望者を調査し、IT業界の転職市場をレポートにまとめた。
2021年4月から5月にかけて最も求人が増えた職種は「開発エンジニア」で、6%増だった。開発エンジニアの求人を増やした業種として「Webサービス企業」「SaaS企業」が目立った。SIerの求人も含めて半分以上を占めるが、コンサルティングファームや非IT企業の参画も見受けられ、開発エンジニアの採用競争が激化している。
面談者の退職状況を分析した結果、4月に比べ5月は「退職している」比率が16%から13%へ減少した。また「退職するか検討中」は39%から41%へ増加した。求人企業サイドは4月から引き続き採用ニーズの高まりを見せている。求人数も1万2000件に上り、過去最高水準を更新する結果となった。片や求職者サイドは退職している比率が減少している。退職を迷っている人材も増加していることから、引き続き転職意向度が低い状態が続いていると考えられる。
同社で面談した求職者を年齢別に分析した結果、2021年3月大幅に伸長した25歳以下の若手層は、5月に入っても15%と高水準になった。新型コロナにより採用予算を2020年度中に余らせたSaaS・Webサービスの企業は、技術職・分析職・営業職にてポテンシャル採用を実施している。それに伴い同社でも20代若手層の集客を注力した影響が継続していると考えられる。
また、同社で面談した求職者の職種を分類して、占有率を昨年5月と比較した結果、下流SEの占有率が4%増加した。1年前はちょうど新型コロナの渦中だったため、集客ターゲットとしてIT系の技術職にフォーカスを当てて強化していた。その当時と比較しても下流SEの集客を増やせているのは、第2新卒に当たる2020年度卒の若手層集客に注力できたことが要因だと考えられる。