ダイヤモンド・コンサルティングオフィスは、長期化する在宅テレワークの実態調査を目的に、インターネットによるアンケート調査を実施し、結果を発表した。2020年5月から、1年以上にわたり在宅でテレワークを行いつつ、部下とコミュニケーションをとっている管理職の会社員539名から回答を得た。調査期間は2021年5月28日〜5月30日。
1年以上続いている在宅テレワークは定着しつつあるが、部下とのコミュニケーションのストレスは、昨年と比較して「変わらない」との回答が50.5%と一番多く、「かなり増えた」「増えた」と回答したストレス増加群が40.1%、「かなり減った」「減った」と回答したストレス減少群が9.5%となった。長期化する在宅テレワークだが、慣れや対策がとられ、ストレスが改善傾向にあるのは1割未満と非常に少ない結果となった。
部下とのコミュニケーションにおけるストレス増加原因は、1位「部下との距離感」(63.9%)、2位「部下への指示出しタイミング」(55.6%)、3位「部下の育成」(48.1%)となった。一方で、ストレス減少要因は、1位「部下との距離感に関するストレスや悩みが減った」(35.3%)、2位 「部下に対する行動管理方法に関するストレスや悩みが減った」(29.4%)、3位「部下への指示出しタイミングに関するストレスや悩みが減った」(21.6%)となり、2項目がストレス増減の共通因子となっている。
在宅テレワークでの部下とのコミュニケーションに際し、ハラスメントにならないよう気をつけることで、マネジメントが難しくなっている事柄について聞いたところ、1位「部下の業務進捗が確認しづらい」(43.8%)、2位「気軽な声かけが難しく、部下のコンディションがわからない」(37.5%)、3位「チームワークで業務を進めることが難しい」(31.0%)と回答し、逆に「当てはまるものはない」の回答は(17.8%)にとどまり、約8割が何らかの難しさを感じているという結果になった。
部下とのコミュニケーション「ストレス増加群」だけを見てみると、1位「部下の業務進捗が確認しづらい」(60.2%)、2位「気軽な声かけが難しく、部下のコンディションがわからない」(51.4%)、3位「チームワークで業務を進めることが難しい」(49.1%)に約半数が当てはまると回答し、「当てはまるものはない」の回答は(0.9%)と少数となった。ストレス増加群のほとんどの管理職は、何らかのマネジメントの難しさを感じている結果となった。
在宅テレワークでの、部下以外とのコミュニケーションのストレスについて、「当てはまるものはない」の回答は38.8%となり、6割以上の管理職がストレスを感じているという結果となった。特に、横のつながりである「他部署」「同僚」とのコミュニケーションにストレスを感じているという回答が多くなった。
部下とのコミュニケーション「ストレス増加群」だけを見てみると、「ストレス減少群」に比べて、全体的にストレスが高くなっている傾向となった。
今後の働き方として、「出社したい」と回答したのは16.7%と少なく、8割以上が在宅テレワークを取り入れた働き方の継続を希望している結果となった。
部下とのコミュニケーション「ストレス減少群」は、約5割が「在宅でのテレワークを続けたい」と回答したのに対し、「ストレス増加群」は、約5割が「在宅でのテレワークと出社の併用がいい」と回答する結果となった。