日本労働調査組合は、会社員のブラック企業に対するイメージを調査するため、全国の20~49歳で会社員の男女516名を対象に「ブラック企業に関するアンケート」を実施した。調査期間は、2021年6月1日~6日8日。
同組合は今回の調査結果について、以下のように述べている。
勤めている会社はブラック企業だと思うかという質問には、「思う」が31.2%、「思わない」が48.6%、「わからない」が20.2%の結果となった。「わからない」も含めると、51.4%が自身の勤務先を「ブラック企業である」もしくは「ブラック企業かもしれない」と考えている様子が伺い知れる。
また、年代別に見ると、若い世代ほどブラック企業だと「思う」の回答が多く、上の年代ほど「思わない」の回答が多くなっている。40代は勤続年数が長かったり役職者だったりして、若い世代に比べれば、自身で働きやすい環境を作りやすいと考えられる。また、若い世代と上の世代での働き方、特に時間の使い方に関する意識の変化が数字に表れている。
ブラック企業の定義について聞くと、1位は「サービス残業」(36.9%)だったが、4位には「残業が多い」の意見があり、残業代が支払われないことを否定する意見と、残業自体を否定する意見がそれぞれ独立している。
また、カテゴリ別では「労働時間」が約7割で圧倒的。残業もハラスメントもなく、休日がしっかり取れる会社はホワイト企業だといえるのかもしれない。
経験したブラック企業に関するエピソード(※一部抜粋)
【労働時間】
- 連日信号が点滅するまで働いている
- 残業代が30分ごとに出るが、強制的に29分でタイムカードを切らされる
- 上司から「サービス残業ではなく思いやり残業だと思って仕事しろ」と言われた
【ハラスメント】
- 業務チャットツールの個人同士でのやり取りを管理職が閲覧している
- 昇格制度について質問をすると昇格には「上に媚びること」と言われた
- 社内全体会議の司会進行には必ず若手女性社員がアサインされる
【休日】
- 有給を使うと周囲から引かれる
- 休日を取ると出張の移動日にさせられる
- 上司は土日休みだが、自身は平日休みで土日出勤
【給与待遇】
- 退職連絡をしたら、退職日を迎えるまでに社会保険を解約されていた
- 残業しなければ終わらない業務量なのに、残業するとボーナス査定が下がる
- 毎日残業休日無しで働いているのに、平均月収よりも安い
【その他】
- 一時給付金受給のために従業員を休業として届け出ているが、実際は業務のために出勤させている
- 本人が特定されないはずの内部通報制度で本人が特定される
- ブラック企業大賞に会社がノミネートされたら給与が上がった