SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

直近開催のイベントはこちら!

HRzine Day 2024 Winter

2024年2月1日(木)12:00~17:40

主要製品スペック一覧

人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

人事労務管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

人事労務管理システム
主要製品スペック一覧 2023

その他のスペック一覧

タレントマネジメントシステム<br>主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム
主要製品スペック一覧 2023

採用管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

採用管理システム
主要製品スペック一覧 2023

戦略人事が実現するエンゲージメント経営が企業を変える | 第1回

従業員エンゲージメントがなぜ注目されているのか・測定する意味とは


  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
  • hatena

 近年、経営や人事の世界で「従業員エンゲージメント」という言葉が注目を集めている。組織の活性化度合いが事業成長に直結するような成長ベンチャー企業は勿論、大手企業でも中期経営計画における重点指標の一つとして掲げる企業が増えてきている。今なぜ、従業員エンゲージメントが注目されているのか、本稿ではまずその背景や、よくある「従業員満足度」と「従業員エンゲージメント」の違いについて解説し、第2回以降では「従業員エンゲージメント」を高めるためのポイントについて、事例やケーススタディも交えながら解説していきたい。

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
  • hatena

そもそも「従業員エンゲージメント」とは何か

 エンゲージメント(Engagement)は直訳すると「約束、契約、婚約」となるが、従業員エンゲージメントは「企業と従業員の結びつき」だと捉えるとイメージしやすいのではないだろうか。さらに言い換えると、「企業と従業員の相互理解・相思相愛度合い」といえるだろう。今、この従業員エンゲージメントが、組織状態を表す指標として非常に注目されている。

 近年注目が集まっている指標ではあるものの、組織状態を知るための調査の歴史は意外にも古く、第1次世界大戦中に米軍が部隊の戦闘意欲を「モラルサーベイ」という形で調査している。戦後、それらを欧米企業が採用するようになり、さらにその後、日本でも従業員満足度調査などとして多くの企業が導入などを進めた。従業員が会社に対して満足していれば、より従業員の生産性が向上すると考えてのことだった。

 しかし、この従業員満足度調査には大きな問題があった。1980年代の様々な分析によると、従業員満足度調査は仕事の業績との相関が見られるという報告はなかったのである。そんな中に出てきた、新しい組織調査が従業員エンゲージメントを用いた組織調査だ。

 従業員エンゲージメント調査と従業員満足度調査には大きな違いが3つある。

 1つ目は、従業員エンゲージメント調査では「満足度」に加えて、「期待度」を調べることだ。従業員満足度調査では、「上司や給料、仕事などに対して満足しているか」だけに着目して調査を実施する。しかし、本来私たちが人や事柄に対して「満足」を得られるかどうかは、そのことに対して事前にどのぐらい期待しているかという「期待」とのギャップであるはずだ。

 例えば、ファーストフード店に期待する接客サービスと、高級レストランに期待する接客サービスは異なる。とはいえ、それぞれの期待を満たしていれば満足できるし、そうでなければ不満になる。これと同じ理屈だ。絶対的な満足のレベルではなく、事前の期待値との相対的な問題なのである。

 また、満足度だけを調査する場合、満足度が低い項目へ限りある経営資源を投下することになり、会社は疲弊していく。しかし、「期待」を調べることで、期待度が高く満足度が低い事柄は改善に注力し、逆に期待度が低く満足度が高い事柄は注力度合いを下げる、といった戦略的な意思決定が可能となる。

 2つ目の違いは、従業員エンゲージメント調査では「個人」ではなく、「関係性」について調べているということだ。例えば、従業員満足度調査では「上司に満足しているか」「給料に満足しているか」「仕事に誇りを感じているか」など、個人の気持ちに着目して調査を実施する。しかし、この調査で分かることから、あなたはどう組織を変えればよいか、すぐに理解できるだろうか。その解決策にたどり着くことは難しく、従業員から意見を聞くことになるのではないだろうか。

 本当に注目すべきは何か。それは、従業員を取り巻く「関係性」を調べることだ。従業員を取り巻く関係性とは、具体的に全部で16個ある(下図)。

[画像クリックで拡大表示]
[画像クリックで拡大表示]
[画像クリックで拡大表示]

 例えば、従業員は会社の「理念戦略」への期待度が高く、満足度が低いと分かれば、会社は自社の理念を自社に浸透させる努力や、戦略目的の納得感を高めるための説明機会が不足していると分かるし、逆に、「施設環境」への期待度が低く、満足度が高いとなれば、業務環境への投資は削減してもよいかもしれない。つまり、従業員が会社に何を期待しているのかが分かれば、会社は手を打てるのである。

 3つ目は、従業員エンゲージメントは、実際に生産性や業績との関連性が見られるということだ。このことは、当社とデータ分析の専門家である慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 岩本研究室との共同研究でも明らかになっている。

[画像クリックで拡大表示]
※印刷用ページ表示機能はメンバーのみが利用可能です(登録無料)。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
  • hatena
戦略人事が実現するエンゲージメント経営が企業を変える連載記事一覧
この記事の著者

沖田 慧祐(株式会社リンクアンドモチベーション)(オキタ ケイスケ)

株式会社リンクアンドモチベーション マーケティングセールスユニット ブランディンググループ リーダー 2013年、東京大学大学院情報理工学系研究科 修士課程卒業後、株式会社リンクアンドモチベーションに新卒で入社。大手企業向け組織人事コンサルティング事業、中堅・成長ベンチャー企業向け組織人事コンサル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
  • hatena
HRzine
https://hrzine.jp/article/detail/3458 2021/08/18 19:25

Special Contents

AD

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

2024年2月1日(木)12:00~17:40

イベントカレンダーを見る

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング