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戦略人事が実現するエンゲージメント経営が企業を変える | 第2回

持続的成長のための強い組織づくり、そこで必要な戦略人事の視点とは

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 本連載の第1回では、従業員エンゲージメントとは何か、今注目されている背景、そして企業に求められる従業員エンゲージメント向上のためのフレームワークである「診断・変革・公表サイクル」を紹介した。今回は、従業員エンゲージメントを高めるために人事に求められる考え方を、昨今取り上げられることも多い「戦略人事」をキーワードとして解説する。

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企業に求められる人事は「オペレーション人事」から「戦略人事」へ

 現在、企業経営に求められる人事は「オペレーション人事」から「戦略人事」へと変化している。国全体で右肩上がりの経済成長が続いていた時代は、比較的変化が少なく予測可能で安定的な環境下にあった。この時代に必要なことは、画一化された仕組みを運用することだった。つまり、新卒一括採用、年功序列、終身雇用というシステムをミスなく運用することが、経営を成功させるための“組織人事戦略”だったといえる。

 しかし、終身雇用の維持が難しくなり、ワークモチベーションは多様化し、転職市場も活況化していることに加えて、コロナ禍という大きな変化にさらされる中、正解の存在しない複雑な組織人事戦略が求められるようになった。例えば、人材採用一つとっても、従来の新卒一括採用に加え、中途採用、ダイレクト採用、リファラル採用など、採用手法は多岐にわたる。

 そのような中で今、人事に求められるのは、常に経営戦略や市場環境を俯瞰しながら、自社に最適な組織人事戦略を立案・実行し続けることだ。これが「戦略人事」である。戦略人事を実現することで、変化する環境に適応し続けられる、つまり持続的成長を実現できる強い組織づくりが可能になる。

 次節からは戦略人事になるための3つのポイントを述べていく。

戦略人事のポイント①「経営との接続」

 戦略人事の最も大切な役割は、経営戦略・事業戦略と組織戦略・人事戦略を接続することだ。経営戦略や事業戦略への十分な理解がなければ、最適な組織戦略や人事戦略は生まれない。むしろ、今は市場環境の変化が激しいことから、現状の組織能力やその可変幅から経営戦略・事業戦略を決めることも多い。

 ここでは、リンクアンドモチベーションが作成した事業戦略と組織戦略を統合して考えるためのフレーム「5M(ファイブエム)」を紹介したい。

[画像クリックで拡大表示]

 まず、上段左側の「Message(事業戦略)」だ。リンクアンドモチベーションでは、企業活動とは“マーケットに対するコミュニケーション活動”だと考えている。企業は「こういう生活をしませんか」「こういう利便性を獲得しませんか」というメッセージを、商品・サービスというメディアを通じて発信しているのである。そのメッセージに対して顧客からの支持や共感が生まれれば、その対価として代金をいただくことになる。つまり、売上は、発信したメッセージに対するマーケットからの共感の総量と捉えることができる。

 次は、上段右側の「Motivation(動機形成)」だ。ここで、企業経営の普遍的なテーマは、外部適応と内部統合の両立である。企業は、競合企業などの外部環境に対して適応することで、顧客の共感を獲得していく。一方で、組織に所属している一人ひとりの共感を最大化すること、すなわち内部統合も両立しなくてはならない。この2つは常にバランスを取る必要がある。例えば、外部適応に偏ると、組織に所属している人が息苦しくなったり、こんな組織ではやっていられない、ということで退職者が出たりする。逆に、内部統合に偏れば、仲は良いし居心地は良いが、低位均衡状態となり、やがて組織は崩壊してしまう。

 前置きが長くなったが、この外部適応がMessageであり、内部統合がMotivationである。自分の会社に所属している一人ひとりの社員の共感の極大化に関わる内容がMotivationにあたる。

 次は下段の3つだ。下段の3つはMessageとMotivationの最大化に向けた操作変数という位置づけである。

 下段の1つ目は「Mission(役割設計)」だ。自分たちのミッションの設計や組織図、階層の設計がこれにあたる。2つ目は「Membering(人材開発)」。人材の採用・育成や、内部での配置転換などがこれにあたる。最後の3つ目が「Monitoring(管理制度)」。例えば、KPIやKGIなどの指標設計、それらを管理するための管理帳票、さらにはそれらを統合して人材の評価に結びつけるための人事制度などがここにあたる。

 ここで、5Mがうまく連動している企業の例としてリクルートを挙げたい。リクルートはリクルート事件や、ダイエーによる買収、バブル崩壊による業績悪化など、多くの困難に見舞われてきたものの、それらを乗り越えて成長してきている。その理由は、経営戦略・事業戦略と組織戦略・人事戦略が見事に美しく噛み合っているからだ。もちろん、今と昔で変化してきている部分もあるとは思うが、書籍や私が聞いた話から簡単にまとめるとこうなる。

[画像クリックで拡大表示]
Message「新しい価値を創造し続ける」
リクルートは継続的に成長しているが、ずっと順風満帆だったわけではない。リクルート事件、ダイエーによる買収、バブル崩壊による業績悪化、兆という単位の借金と危機はいくつもあった。しかし、新しい価値を創造し続けてきたことで、それらを乗り越えてリクルートは成長してきている。
Motivation「圧倒的当事者意識」
上記のように、価値を生み出し続けるために必要だったのが、強い当事者意識を皆が持つということにあったのではないだろうか。

 次に、MessageとMotivationを実現するため、具体的にどんな施策や考え方を持っているのかを整理すると、次のようになる。

Membering「皆経営者」
自立心の高いハイタレント人材の採用と、「あなたはどうしたいのか」を問い続ける育成風土が全社で徹底されている。
Mission「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
旧社訓ではあるが、この創業者の言葉は今でも大事にされており、社員一人ひとりに主体性を求め、かつそれを育む意識や取り組みがリクルートには数多くある。
Monitoring「プロフィットセンター方式」
現在は「ユニット経営」とも呼ばれているが、組織を小さく分け、その中で収支を管理する制度のことである。この管理制度によって、各部門の全員参加経営を目指す。

参考文献

 今回は「5M」のフレームを紹介したが、このように事業戦略と組織戦略・人事戦略を接続させることで、事業と組織を統合して考えることが戦略人事に求められているのだ。

 5Mは何も会社全体で描く必要はなく、職場や部署で描くことは可能である。部署のMessage (事業戦略) は何か、と改めて問われると難しいかもしれないが、関連部署に対してどのような価値を届けているか (届けたいのか) と考えればよい。リンクアンドモチベーションでは、自部署の毎期の振り返りの際に、マネージャーやリーダーがこのフレームに沿って考えていることも多い。ぜひ一度自分の会社や部署で試してみてほしい。

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この記事の著者

沖田 慧祐(株式会社リンクアンドモチベーション)(オキタ ケイスケ)

株式会社リンクアンドモチベーション マーケティングセールスユニット ブランディンググループ リーダー 2013年、東京大学大学院情報理工学系研究科 修士課程卒業後、株式会社リンクアンドモチベーションに新卒で入社。大手企業向け組織人事コンサルティング事業、中堅・成長ベンチャー企業向け組織人事コンサル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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