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イベントレポート《評価制度》| 落とし所の見極め

100人100通りの人事制度を目指すサイボウズ、試行錯誤の末に行き着いた評価制度とは

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 株式会社博報堂コンサルティングの社内カンパニーである、HR Design Lab.主催の対談イベント「HR RUNNERS」。毎回HRの最前線を走るキーパーソンをゲストに招き、HR Design Lab.代表 兼 博報堂コンサルティング 執行役員 楠本和矢氏が、「べき論だけではうまくいかない現場のリアル」に迫る。第11回は、サイボウズ株式会社 人事本部 部長 青野誠氏を迎え、「社員と一緒に探求し続ける“評価制度” ~サイボウズの工夫②~」と題して、同社の評価制度に対する取り組みの経緯と成果を伺った。

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一人ひとりの個性に合わせて人事制度も「100人100通り」

 企業における評価制度の重要性が、ますます高まってきている。とりわけIT業界では、技術者の慢性的不足や働き方の多様化が進み、自分の能力や成果への評価が妥当でないと思えば転職することも当たり前になりつつある。さらに、コロナ禍で定着したリモートワークという新しい環境下で、「会社も本人も納得のいく評価方法」を模索している人事担当者は少なくないだろう。

 「サイボウズ Office」や「kintone」などのクラウドサービスで知られ、企業の情報共有や組織の業務効率化はお手のもののサイボウズも例外ではない。同社 人事本部 部長の青野誠氏は、「評価制度というのは、やはり非常に難しい。当社の評価制度も長年にわたり、さまざまな試行錯誤を経て現在に至っています」と明かす。

青野 誠氏
青野 誠(あおの まこと)氏
サイボウズ株式会社 人事本部 部長
2006年早稲田大学理工学部情報学科卒業後、サイボウズ株式会社に新卒で入社。営業やマーケティング、新規事業の立ち上げなどに携わった後に人事へ。現在は人事本部のマネジメントや採用・育成・制度企画などを推進。NPO法人やベンチャー企業の人事部門でも複業を経験するなど、自ら多様な働き方を実践している。共著に『わがままがチームを強くする』(朝日新聞出版)。

 サイボウズの人事制度の基本方針は「100人100通りの人事制度」だと、青野氏は言う。

 「普通、制度というと1つの規制や制約を与えるイメージですが、当社は逆で、一人ひとりの個性が違うんだから人事制度も100通りあればいいんじゃないか、と考えています。その背景には、サイボウズのPurpose『チームワークあふれる社会を創る』があり、中でも人事領域では『自立と議論』というCultureを非常に大切にしています。いうなれば、キャリアをどうしたいかは自分で選び取ろう(自立)、そして疑問があればどんどん質問して話し合おう(議論)というわけです」(青野氏)

 いかにもサイボウズらしいユニークなコンセプトを、楠本氏は「個性はそれぞれ違うのが当たり前なのだから、一見公平に見える『全員同じ評価』は、むしろその個性を無視した評価につながりかねません。公平性よりも個性を重んじることで、一人ひとりの幸福や達成感を追求しようというほうが自然です」と高く評価する。

楠本 和矢氏
楠本 和矢(くすもと かずや)氏
HR Design Lab.代表 兼 博報堂コンサルティング 執行役員
神戸大学経営学部卒。丸紅株式会社で、新規事業開発業務を担当。外資系ブランドコンサルティング会社を経て現職。これまでコンサルティングプロジェクトの統括として、クライアント企業に深くコミットするアプローチのもと、多岐にわたるプロジェクトを担当。現在は、HR Design Lab.代表として、「マーケティングとHR領域の融合」をテーマに、現場での実践に基づいた様々なHRソリューションを開発提供。特に、組織の創発力強化・生産性向上を目的とした取り組みに注力。

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この記事の著者

工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)

出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/3559 2022/01/18 08:00

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