フリーランスを活用する背景
Question 1
フリーランスとして働く人や、フリーランスを活用する企業が増えているのはなぜか?
Answer 1
フリーランス人口は、2018年から2020年までで500万人以上も増加し(【ランサーズ】フリーランス実態調査 2021)、1670万人にまで拡大しています。また、労働人口のうち35%が広義のフリーランスであるアメリカと比較すると、日本における広義のフリーランスは24%。今後も増加していく可能性が考えられます。
フリーランス増加の背景には、政府の「働き方改革」による副業の推進や、近年のテレワーク普及などがあります。加えてコロナ禍の経済不安により、収入拡大を目的として副業・フリーランスという働き方を選択するケースも増加しているようです。企業側も安直には社員の年収を向上させられないため、副業による収入増を推奨する傾向も強まっています。
次に、フリーランスを活用する企業が増えている理由についてです。一つは、フレキシブルな経営を目的に固定費削減を進める企業が増加していることが挙げられます。また、多くの企業で定型業務がプロジェクト型業務に移行しつつあり、プロジェクトごとの要件を満たしたフリーランス人材へ業務が委託されるケースも増加しています。実際に、エン・ジャパンが提供するフリーランスマネジメントシステム「pasture(パスチャー)」の利用企業数も、2019年からの2年間で10倍以上伸びている状況です。
クラウドソーシングなどのプラットフォームやSNSが発達してマッチングの機会が多様化していることも、フリーランスやフリーランス活用企業の増加に影響しています。
Question 2
フリーランスと雇用する社員は、大きく何が違うのか?
Answer 2
「“メンバーシップ型雇用”と“ジョブ型雇用”の違い」に近いといえます。社員はどちらかというと「人に仕事をつける」というメンバーシップ型雇用なのに対し、フリーランスは「仕事に人をつける」というジョブ型雇用の考え方が当てはまりやすいでしょう。
また、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2019」(PDF)では、社員よりもフリーランスのほうが「ワークエンゲージメント(≒仕事への熱意など)」や「専門性コミットメント(≒専門性へのこだわり・意識の高さ)」が高いという結果が示されています。
フリーランスを活用する場合には、こうした違いを意識して適切な業務を委託する必要があります。