パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」は、「女性の平均年収ランキング2021」を発表した。2020年9月~2021年8月の1年間にdodaエージェントサービスに登録した約45万人のデータから、正社員として働く20歳~65歳までの女性をピックアップし、まとめたものとなっている。
同ランキングによれば、2021年の女性の平均年収は、去年と比べて減少トレンドであったという。一方、職種別で1位の「リスクコンサルタント」は、去年より71万円アップしている。また、「営業職」においては今回TOP50に8職種がランクインし、2番目に多い職種分類となっている。
女性の平均年収は年代が上がるにつれて上昇するものの、男女全体の平均年収と比較すると上り幅が小さいのが現状だという。また、年収400万円未満の全体割合は女性が72.4%に対して、男女合計では57.1%と、年収差が見られる。これは、出産・育児にともなう時間の制約や仕事内容の変更、管理職への昇進機会などが影響しているものと推察している。
【職種別】「専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)」と
「金融系専門職」がTOP10の半数以上を占める結果に
全165職種のうち、女性の平均年収ランキング1位は「リスクコンサルタント」(670万円)であった。昨年から71万円アップし、2つ順位を上げている。また、昨年は上位3位までをコンサルティング系の職種が占めていたが、今年は「金融系専門職」に分類される「投資銀行業務」(643万円)、「運用(ファンドマネジャー・ディーラー)」(620万円)が2位、3位にランクイン。これら2職種は、昨年からの年収額の上げ幅が大きかった職種TOP3にも入っており、「運用(ファンドマネジャー・ディーラー)」は1位で+126万円、「投資銀行業務」は2位で+113万円、「プロジェクトマネジメント」は3位で+112万円という結果になった。
11の職種分類の中で、昨年より年収額が上がったのは、増加額の大きい順に「金融系専門職」(358万円→367万円)、「コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人専門職」(509万円→514万円)、「事務・アシスタント職」(317万円→318万円)、「企画・管理職」(437万円→438万円)となった。「専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)」は、全体の平均年収では前年比-25万円だったのに対し、女性の平均年収は前年比+5万円となり、男女合計した全体と女性で年収傾向に差が生じたという。
全体傾向としては、「法務」(541万円)、「知的財産・特許」(537万円)といった「企画・管理職」が、上位50職種中のうち17職種で全体の約4分の1を占め、最多となった。次いで多かったのは、「営業職」で8職種。前回2位だった「コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人専門職」は、今回は3番目に多く7職種がランクインしている。
【年代別】全年代において、年収400万円未満が半数以上を占める
年代別では、20代は317万円(昨対比-4万円)、30代は378万円(昨対比+1万円)、40代は402万円(昨対比-1万円)、50代以上は435万円(昨対比+4万円)という結果になった。全体との差は、20代で24万円、30代で59万円、40代で100万円、50代以上で178万円と、年代の上昇とともに拡大している。また、すべての年代において、年収400万円未満の割合が半数を超えており、中でも30代女性は全体の60.8%であったという。年収500万円以上の割合は、30代の女性で全体の17.9%、40代で23.6%にとどまっている。
【エリア別】関東エリアが最も高く362万円で、2位の東海エリアの327万円を引き離す
エリア別では、北海道・東北エリアは314万円(昨対比+4万円)、関東エリアは362万円(昨対比-4万円)、東海エリアは327万円(昨対比+2万円)、北信越エリアは312万円(昨対比+1万円)、関西エリアは325万円(昨対比-3万円)、中国・四国エリアは318万円(昨対比+2万円)、九州・沖縄エリアは312万円(昨対比+2万円)となった。
都道府県別に見ると、1位は東京都で383万円(昨対比-3万円)、2位は神奈川県で352万円(昨対比-3万円)、3位は鳥取県で342万円(昨対比+2万円)という結果になっている。
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