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HRzine Day 2021 Summer セッションレポート | #5

起業に成功するほど優れた人材を次々に輩出するDeNA それを可能にしている育成制度とは

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 株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)といえば、アカツキ、ビビットガーデン、Donuts、YOUTRUSTなど、代表取締役・CEOだけでも数々の人材を輩出していることでも知られる。これは、VUCAといわれる時代に先駆け、非連続的な成長を実現していくために最も重要な経営資源である「人材」が“育つ”制度や取り組みを積極的に展開し、組織の変化に合わせて変化し続けてきたことにほかならない。その背景にある組織の変化に伴うミッション・ビジョンの変化とHRの取り組み、そして「従業員がいきいきと自律的に働く環境づくり」について、同社の風早亮氏が、HRzine Day 2021 Summerで「従業員が自律的に働く=事業が生まれ伸びていく 人材輩出企業「DeNA」の人が育つ制度とは 」と題し紹介した。

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ミッション・約束と5つの行動指針

風早 亮

風早 亮(かざはや あきら)氏
株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース本部 副本部長 兼 人材企画統括部 統括部長
2008年にDeNAに中途入社(第二新卒)。入社後はタイアップ広告の企画営業を担当。その後、ゲーム事業に領域を移し、パートナーとのアライアンスを担当し、マネジメントや事業責任者も経験。2018年にHRへ異動し、新卒採用部部長に就任。2020年4月より、HR全体を統括する副本部長として現在に至る。

 「DeNAを一言で表現するとすれば、“挑戦し続ける企業”だ」、風早氏はセッションの冒頭で自社をそう紹介した。DeNAの事業はネットオークションに始まり、「モバゲー」などのエンターテインメントなどに幅広く広がり、そして球団運営にまで至っている。風早氏自身、2008年に入社した当時はここまで広がるとは想像していなかったという。特に近年では、エンターテインメント領域と社会課題領域という2軸で事業を展開し、多様な分野のパートナーとの座組みによって非連続的な成長にも挑戦し続けている。

 そうした事業の変化や挑戦に伴い、「組織が変化し続けること」もDeNAの大きな特徴だ。その象徴が、代表取締役の交代であり、2011年には創業者である南場智子氏から守安功氏へ交代し、10年ぶりに2021年4月より岡村信悟氏がCOOから昇格する形で就任した。それと同時期に、会社のミッション・ビジョン・バリューも刷新され、現在のミッションとして「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」を掲げている。なお、“Delight”は「ちょっとした驚きを伴う喜び」という意味を持ち、そのDelightを届けることがDeNAの企業としての使命だという。

 風早氏は、「会社として様々な挑戦をする中で、時に世間をお騒がせすることも少なからずあった。そうした経験を踏まえ、DeNAが社会にどのような価値を提供できるのか、還元できるのかという問いの下、『DeNA Promise』というバリューをつくり、社会に対する約束事として掲げている」と語る。その中の一つである「多様な社員が活躍し成長する環境作り」については、まさにHR・人事の領域であり、社外にも「約束」として掲げられるよう、多彩な施策・検討を進めてきた。当然、それらの取り組みは、DeNAの「事業と経営をドライブさせること」を目的とするシンプルな考え方に基づいているという。

 さらに、採用活動においては「挑戦者を惹きつけ、未来を創る」というミッションの下、経営層も含め全社一丸となって取り組み、「一人ひとりの個性を活かす」ための社内の制度や仕組みづくり、さらには人の力によって“DeNAらしい”事業シナジーを生み出すことにこだわって人事施策を徹底している。

 それでは“DeNAらしさ”とは何か。その一つが以前から掲げられている「球体型組織」だ。これは、社員全員が自らをDeNAを代表する一員であると認識して全力で仕事に向かうことを表し、社内でも「球の表面積」や「最後の砦意識」という表現を使うことが多いという。

 「『誰かが何とかしてくれる』と考えるのではなく、新卒も中途で入ってきたばかりの人も、その日から自分もDeNAを代表する人物だという自覚を持って動こうという企業文化がある」(風早氏)

 そして、そうした社内に対する約束事のバリューとして、「DeNA Quality(DQ)」に定められた5つの行動指針を紹介した。

[画像クリックで拡大表示]

 「多様な考え方を大事にするDeNAで、守るべきはこのたった5つの行動指針のみ。ここへの共感・コミットを重視して、経営陣も最前線で仲間探し的に採用活動をしている。当然ながらHR部門でも重視しており、必然的に入社後の制度設計施策に影響する基盤にもなっている」と風早氏は語る。ここで重要なのが「人は仕事で育つ」というベーシックな考え方と、そこに紐付いた具体的な施策だ。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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