まずは採用したいエンジニアのレベルを定義
エンジニアと一口に言ってもレベルはさまざま。採用活動を始める前に、世の中のエンジニアの技術力を把握し、自社に必要なエンジニアのレベルを定義することが必要です。
レベル分けの際は、自社だけで閉じず他社を横断して定義することが大切。コーディング試験ツールを提供しているハイヤールーが定義するレベルは次表[1]のとおりです。
そして、レベルごとのスキルを一覧にしたものが次表です。
定義したレベルをもとに、自社のエンジニアがどこに属するのか、また採用したいエンジニアはどのレベルなのかを明確にしておきましょう。そこから採用活動が始まります。
注
[1]: TL:テックリード。EM:エンジニアリングマネージャー。VPoE:バイスプレジデント・オブ・エンジニアリング。
エンジニアのレベルによって異なる採用手法
求めるエンジニアレベルが分かったら、次は各レベル帯に適した採用手法を見ていきましょう。ターゲット像を詳細にイメージしておくことで、より結果につながりやすくなります。
L1〜L3向け採用手法
L1~L2のエンジニアは、自分から能動的に採用市場に出てくる人が大半です。事業への共感よりも、「自身の成長環境として適切か」「会社で扱う技術は興味のある分野か」といった軸で転職先を探す人が多い傾向にあります。中には必須要項を見ず、手当たり次第に応募する人もいるため、適切なスクリーニングが必要です。
ただ、本人が能動的である分、採用自体は比較的スムーズ。さまざまな媒体を使うことで、ある程度の応募者を募ることはできます。
さらに数を増やしたい場合には、とにかくエンジニアに認知されるように勉強会、テックブログなどを通して自社の技術力をアピールしましょう。これはL1~L2より1段上の成長意欲を持つL3に有効です。
L4~L5向け採用手法
L4~L5は、採用市場に積極的には出てこない層。求人媒体はあまり使いません。一方で、AtCoderやKaggleといった競技プログラミングサイトへの参加が多い傾向にあります。
大きなカンファレンス(iOSDC、RubyWorld Conferenceなど)に登壇することもあるため、費用に余裕があればそうしたイベントに協賛して知名度を上げるのも一つの手。
また、「優秀な仲間と仕事をしたい」という意欲が高いので、社内に著名エンジニアが在籍しているのであれば、積極的に表に出てもらうのがよいでしょう。社外への発信者候補のリストを作るなど、人事とエンジニアが協力して採用につなげる意識が大切です。