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HRzine Day 2022 Summer セッションレポート | #5

いるはずの自律した人材はどこへ 自律を阻害する組織的な要因とは?

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 先の読めない時代を乗り越える力として、「自律した人材」を求める企業は多い。しかし、その自律した人材が活躍できる環境を、企業は用意できているのだろうか。HRzine Day 2022 Summerの基調講演として行われたパネルディスカッション「日本企業は本当に自律した人材が欲しいのか?」では、日本企業で自律した人材が出てこない根本原因が明らかにされるとともに、自律した人材が活躍できる組織へと変革するヒントが提示された。登壇者は、学習院大学 守島基博氏、メルカリ 木下達夫氏、ファンリーシュ 志水静香氏の3氏。

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パネリスト

守島 基博

守島 基博(もりしま もとひろ)氏
学習院大学経済学部経営学科教授・一橋大学名誉教授
米国イリノイ大学産業労使関係研究所博士課程修了。人的資源管理論でPh.D.を取得後、カナダ国サイモン・フレーザー大学経営学部Assistant Professor。慶應義塾大学総合政策学部助教授、同大大学院経営管理研究科助教授・教授、一橋大学大学院商学研究科教授を経て、2017年より現職。厚生労働省労働政策審議会委員、中央労働委員会公益委員などを兼任。2020年より一橋大学名誉教授。著書に『人材マネジメント入門』『人材の複雑方程式』『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』(日本経済新聞出版)、『人事と法の対話』(有斐閣)などがある。

木下 達夫

木下 達夫(きのした たつお)氏
株式会社メルカリ 執行役員CHRO
P&Gジャパン人事部にて採用・HRBPを経験。2001年日本GEに入社、北米・タイ勤務後、プラスチックス事業部でブラックベルト・HRBP、2007年に金融部門の人事部長、アジア組織人材開発責任者を務めた。2011年に8ヵ月間のサバティカル休職取得。2012年よりGEジャパン人事部長。2015年にマレーシアに赴任し、アジア太平洋地域の組織人材開発、事業部人事責任者を務めた。2018年12月にメルカリに入社、執行役員CHROに就任。

モデレーター

志水 静香

志水 静香(しみず しずか)氏
株式会社ファンリーシュ 代表
元ランスタッド 最高人材開発責任者。2018年株式会社Funleash(ファンリーシュ)設立。現在はスタートアップ・NPOから大企業、自治体、教育機関など様々な組織に対して外部から支援。複数の外資系企業で人事責任者として変革を実行。講演、執筆など幅広く活躍中。大学卒業後、日系IT企業に入社後、米国赴任。外資系IT・自動車メーカーなどを経て外資系リテール企業に転職。複数の企業において人事制度の構築、理念・ビジョン浸透、組織変革など先進的な施策の導入実績を持つ。2013年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了、最優秀論文賞受賞。ウルリッチ『人事コンピテンシー』、ウェインベーカー『ソーシャルキャピタル』などを翻訳。共著に『キャリアマネジメントの未来図』。

企業が求める自律した人材とは

志水静香氏(以下、志水) 本題に入る前に、まずはお二人の考える「自律した人材」の定義を教えていただけますか。

守島基博氏(以下、守島) 自律には、大きく分けて「キャリア自律」と「仕事自律」があると思います。日本の人事業界では、自律といえばキャリア自律を想起される方が多いと思うけれど、キャリア自律というのは、相当に高度な自律なのです。一方、仕事自律は、企業のビジョンやパーパスの中で、自分のやりたいことを自分の頭で決めていくこと。仕事自律の先にキャリア自律はあるのであって、仕事自律さえできていない人にキャリア自律を求めても意味がありません。また、若い人は、この頃キャリア自律志向が強いですが、仕事自律ができていない人のキャリア自律なんて誰も信用しませんよ。今、企業にとって重要なのは、この仕事自律できる人材をいかに作っていけるかだと思いますね。

志水 たしかに、キャリア自律と仕事自律を混同して、企業にとって都合の良いように語られている感はありますね。長年、外資系企業で働いてきた身からすると、大人に対して自律を求めること自体、すごく違和感があるんです。木下さんも以前は外資系企業で活躍して来られましたが、その点、どうお感じになりますか。

木下達夫氏(以下、木下) そうですね。メルカリでいうと、バリューを体現できている人を自律した人材だと捉えています。メルカリに3つあるバリューのうち、1つ目の「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」は、実は3年前まで「Be Professional」だったんです。これがまさに、大人に対して自律を求めるのは違和感があるのと同じで、英語話者にとっては「わざわざ言われなくても、みんなプロフェッショナルなのは当たり前でしょう?」という感覚だったんですね。Proは大谷翔平選手のようなプロ中のプロが想起されるので、英語話者にとっても腹落ちするものになりました。

志水 なるほど。先ほど守島先生から「仕事自律の先にキャリア自律がある」というお話もありましたが、自律にはセルフマネジメントからセルフリーダーシップまで、いくつかの段階があるように思います。メルカリさんでは、どのように捉えられていますか。

木下 3つのバリューがちょうど自律の段階にも重ねられるように思います。まず先ほどの「Be a Pro」が1段階目。次が「All for One(全ては成功のために)」です。要は、自律することは一匹狼になることではない。自律した人間がコラボレートできてこそ、大きな成果を生み出せるという価値観です。しかも、そのOneは人を指すのではなく、共通のゴールを意味している。プロとしてゴールに向かって力を合わせられることが、自律の2段階目です。

 そして3段階目は「Go Bold(大胆にやろう)」。これが自律の中で、最も難しいことです。受け身だと絶対にGo Boldにはなれませんから。大胆に挑戦するには、失敗を恐れずリスクを取りに行くというハングリーさが必要ですし、自分で自分の背中を押す必要もある。互いに背中を押し合うことも大切です。みんながGo Boldになればなるほど、チームとしてのアウトプットも大きくなる。だからマネージャーの役割は、「みんなのGo Boldをいかに引き出すかである」と伝えています。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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