就職活動生はガクチカに悩んでいる
就職活動でよく耳にする「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)にも、コロナ禍の影響が及んでいます。現在4年生である23年卒学生(以下、23卒生)は入学から約1年でコロナ禍に入り、オンラインを中心とした生活となりました。課外活動や友人・先輩とのつながりを持つことに制限がかかり、夢に描いていたキャンパスライフとは異なる生活を余儀なくされています。
そのような中で「ガクチカづくり」に悩む学生が急増しています。弊社ネオキャリアが23卒生を対象に行った「コロナ禍の就職・採用活動における実態調査『ガクチカ』編」では、「コロナ禍がガクチカづくりに悪影響を及ぼした」と回答した学生は44.6%という結果を得ました。
実際に23卒生に話を聞くと、「所属するサークルで開く最大のイベントを中止せざるを得なかった」「予定していた留学に行けなくなった」「長期的に雇用してもらえるアルバイト先がなかなか見つからず、アルバイト先を転々とせざるを得なかった」といった声が次々に上がります。そして、ガクチカとして話すにはインパクトのある経験がなく自信を持てないといいます。
中でも、サークル活動や留学を諦めざるを得なかったある学生は、アルバイト経験をガクチカとして話そうとしていたところ、就職活動のノウハウや成功事例などをまとめているある就職活動サイトで「アルバイトは珍しいガクチカエピソードではないため、人事の印象に残りづらい」という記載を見て、「自分にはガクチカがない」と、とても悩んだそうです。
さらにその学生は、「今となっては、周りで珍しくないとされていたアルバイトをガクチカとして話して内定を獲得している人もいたので、就職活動サイトの情報を鵜呑みにするのは間違っていた」と話します。
この学生の話からも分かるように、就職活動に役立つ情報を届けるはずの本やWebサイトが、逆に不安を過剰に掻き立てたり、ミスリードしたりしているケースもあるのです。