セプテーニ・ホールディングスは、2023年4月より、人的資本価値の向上を目的とした、「給与水準の引き上げ」「従業員持株会における奨励金付与率の引き上げ」の人的投資、および新たな働き方やオフィスへの投資を強化する。
同社グループでは、人的投資によって、有能な人材を採用・育成することで事業を成長させ、その一環として、人材データを活用し、AI(機械学習)などを用いたピープルアナリティクスに関する研究に取り組んでいる。
同研究において、若手社員の早期戦力化レートの向上が確認できたことから、2017年10月には大幅なベースアップを実施。これにより、一時的な利益の減少はあったものの、人的資本価値の増加に伴う顧客提供価値の向上により、5年経過時点で施策実施前と比較して約2.5倍の利益を生み出すなど、長期視点での人的投資の合理性を示す結果が確認されたという(次図)。
こうした背景から、同社は、グループ会社9社の正社員を対象に給与水準引き上げを決定。全ての資格において、一律で年間約80万円(一部資格では年間約100万円)を増額する。同時に、従業員の資産形成支援および従業員のオーナーシップ意識の醸成を図るため、従業員持株会における奨励金付与率を現行の10%から20%に増額するなど、人事システム全般を強化する。
また、2020年2月下旬より、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として在宅勤務を実施してきたが、柔軟な働き方の促進、営業活動関連の費用管理において成果が得られたことを踏まえ、正式な制度として導入。新たな働き方の定着に伴うオフィスへの投資も実施するという。
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