NTTグループは、社員一人ひとりが高い専門性とスキルを獲得・発揮し、様々な分野でキャリアを自律的に構築しながら、高い付加価値を創出できる仕組みを整備するため、2023年4月より専門性を軸とした新たな人事給与制度を導入する。
同社は、社員が高い専門性の獲得に意欲を持ち続けながら、キャリアビジョンの実現ができるよう、年次・年齢や在級年数ではなく、「専門性」を重視し、評価や給与・人事異動などが決まる仕組みへと見直しを行う。
具体的には、新たに創設する18の専門分野ごとに求められる専門性や行動レベルを明確化した「グレード基準」を設定し、専門性の獲得・発揮度に応じて昇格・昇給していく仕組みとする。また、専門性を高められる人材配置への転換や研修充実など、社員の自律的なキャリア形成の支援を強化するという。
新制度の概要は以下のとおり。
導入範囲
- 国内の主要グループ会社[1]
実施時期
- 2023年4月1日より
ポイント
- 専門性により昇格していく人事給与制度:年次・年数要件を廃止し、専門性の獲得・発揮度に応じて昇給・昇格する。特に専門性の高い社員に高い処遇を可能とする「スペシャリストコース」を創設(キャリアの複線化)
- 自律的なキャリア形成を支援する人事体系:専門性を高められる人材配置・異動方針へ転換し、社員の自律的なキャリア形成の支援を強化(研修充実、キャリアコンサルティング機能強化など)
なお、NTTグループ主要会社では、人事給与制度への見直しと併せて、能力が高い人材を獲得していく目的で、2023年4月以降に入社する社員の採用給を引き上げる。具体的には、例えば大学卒の標準的なケースで、従来から14%引き上げ25万円とする。また、社員の採用時点での専門性の高さに応じた、高い採用給水準での採用も開始するとしている。
注
[1]: 主要グループ会社:NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NTTコムウェア、NTT都市開発、NTTファシリティーズ、NTTファイナンス など
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