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インタビュー《男性育休》 | 取得率100%までの取り組み

7年間で男性育休取得率100%となったカンロ 地道な取り組みの先に感じた従業員の変化

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 2023年4月より従業員数1000人以上の企業に開示が求められる「育児休業等の取得率」。社会的にも注目される男性育休の取得について、政府は2025年までに取得率30%を目標にしているが、2021年度では13.97%とまだまだ低いのが現状だ。そんな中、カンロ株式会社は2022年に男性育休取得率を100%にまで引き上げた。その背景には、人事部主導のプロジェクトによる、男性が育休を取得しやすい雰囲気づくりや仕組みづくりがあったという。そのけん引役である同社 人事・総務本部 人事部 労政企画 チームリーダーの北島恵美子氏とダイバーシティ推進チームリーダーの池田有美氏に、これまでの取り組みと現状、そして今後の展望を聞いた。

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2010年に目標を掲げるも取得者はゼロ

 カンロの男性育休を取得推進するための取り組みは、2005年施行の「次世代育成対策支援法」がきっかけだという。事業主として育児支援に対する行動計画を立てる必要が生じた同社は、2010年に「男性の育児休業取得者を1人以上出す」と目標を掲げた。

 しかし、「育休は女性が取るもの」「給与が減額されるなら年次有給休暇を取ったほうがよい」といった雰囲気や、「配偶者が出産したときに取得できる2日間の特別有給休暇で十分」という反応があり、当時の育休取得率は0%であった。人事部による働きかけも、該当者がいれば声がけをする程度であったという。しかし、10年間の時限立法だった「次世代育成対策支援法」が2015年に改正されて、さらに延長したことを機に、人事部主導の男性育休の取得推進プロジェクトを2016年に発足させた。

取得率100%を実現した取り組みとは

 プロジェクトの開始時から携わってきた北島氏は、「当初は2日間の有給での育休制度を新設することからはじめました。4月に規程を変えて、5月には1人目の育休取得があり、有給となると取りやすくなるという雰囲気の変化を感じました。その後、コンスタントに取得者が出てきたのですが、人数は増えず、まだまだ取得しないほうが『普通』という雰囲気がありました」と振り返る。

カンロ株式会社 人事・総務本部 人事部 労政企画チームリーダー 北島恵美子氏
カンロ株式会社 人事・総務本部 人事部 労政企画チームリーダー 北島恵美子氏

 その後、2018年にダイバーシティ推進室が立ち上がり、ハンドブックやライフステージサポート一覧などを作成し「制度の周知」に注力したことで少しずつ取得率は上がり、徐々に長期間の育児休業取得者も出てきたという。2022年4月の法改正で、妊娠・出産の申し出をした社員に対する育休制度の個別の周知・意向確認の措置が義務となることもあり、人事部として申し出を積極的に促すようになった。「育休サポート100」のスローガンを掲げ、Web社内報などでツールの紹介や申し出の必要性を知らせたり、個別面談などで直接アプローチをしたりといった取り組みを、現在まで継続的に行っている。

 ただ、それでも男性社員の意識は急に変わるものではなく、組織の環境ごと変わる必要があると感じた。

 「そこで、2022年から育休対象者の上長や所属長に、男性育休の制度や目的などを案内し、該当する方に取得を促してもらえるように働きかけました。それが功を奏して、ほとんどの申し出が、人事部の申請窓口でなく上長経由で来るようになりました。1人ひとりに対して、身近な上司から声がけを行ったこと。それが男性育休100%取得に至る原動力になったと思います」(北島氏)

 制度の周知、個別申請の依頼、そして上長や所属長からの声がけの要請と徐々に施策を増やし、その結果、取得者が増えてきたことで、「自分も育休を取得しよう」と考える人が増えてきた。すでに若い世代は「男性育休は当然」という認識になりつつあるという。

 現在は、該当する男性社員のほぼ全員が育児休暇を取得しており、期間も2割相当が1ヵ月以上取得している。2022年度の育休取得率(配偶者が出産した人に対して、育児休暇取得人数の割合)は123.5%と100%を超えた[1]

[1]: 出産前後だけでなく、生まれた翌年に育休を取得することもあるため。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)

1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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